与信管理

会社を守るうえで欠かせない「与信管理」。「与信管理」をすることによって、商取引で発生する「貸倒れリスク」を最小限にできます。安全に新規取引先を開拓する「与信管理」について学びましょう。

目次

  1. 1.はじめに
    1. 1.売掛金とは?
    2. 2.与信とは?
  2. 2.与信管理の目的
  3. 3.与信管理のやり方
  4. 4.与信管理のプロセス
    1. 1.与信承認プロセス
    2. 2.与信事後管理プロセス
  5. 4.まとめ

はじめに

あなたの会社では与信管理を行っているでしょうか?
売掛金を前提にした与信取引を行った場合、会社にとってあるリスクを負うことになります。それは、販売代金を現金で回収できるかどうかというリスク(不確実性)です。

取引が順調に行われ、取引先の経営も順調であり、支払いが健全に行われている場合には問題はありません。しかし、取引先の経営状況が悪化した場合、販売代金(売掛金)を回収できないまま取引先が倒産してしまう可能性があります。 倒産してしまえば、その売掛金は回収されることなく、損失になってしまいます。
こういったリスクを極力回避するため、企業は常日頃行うべき業務があります。それが、与信管理です。

売掛金とは

企業と企業が取引をする場合、製品が納品される都度、現金で支払うことはあまりありません。 効率を優先し、製品が納品された月末や数カ月後にまとめて代金が支払われます。 この掛け払いされた代金のことを「売掛金」といいます。

与信とは

企業間取引において、企業は取引先から売掛金がきちんと支払われるまで相手のことを信用して待ちながら、取引を続けます。このことを「与信(信用の供与)」と言います。
製造業だけではなく、金融業やサービス業など多くの企業で同じように与信が発生しています。

与信管理とは何をするのか

与信管理では、取引先の倒産リスクや支払い能力を計るために、取引先の情報を収集し分析します。また、その情報をもとに新規取引の可否、取引額(与信限度額)を決定します。さらに、取引開始後も定期的にメンテナンスし、取引額(与信限度額)を見直したり、緊急時には適切な対応を取ることがあります。このプロセスが与信管理と呼ばれるものです。 これには決まった方程式はなく、各企業が経験と自社の取引状況をもとに独自のやり方で行っています。

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与信管理の目的

与信管理の目的を問われたとき、真っ先に思いつくのが「貸倒れのリスクを下げるため」ということだと思います。
企業にとって貸倒れは極力避けたいものです。万が一、取引先が倒産してしまった場合、「貸倒れ(焦付き)」と呼ばれる損失が発生します。貸倒損失が発生すると経営には大きな影響があります。 仮に取引の利益率が10%であった場合、1000万円の貸倒れが発生すると、さらに1億円の売上をあげないといけなくなってしまいます。 会社の規模に対して焦付きの額が多額だった場合、会社の資金繰りにも悪影響を及ぼす可能性があります。 本来、入るはずだった利益がなくなってしまうのですから、未来への投資や、仕入先への支払い予定が狂ってしまいます。予定していた投資を諦めるか、事業を圧縮するか、場合によっては借入をして資金繰りをする必要が出てきます。 最悪のケースでは、取引先が倒産したことで自社が倒産してしまう「連鎖倒産」もあり得ます。

また、与信管理の目的は貸倒れを極力防ぐことにありますが、貸倒れによる損失はお金だけではありません。 貸倒れが発生した場合、会社の評判は低下します。「あの会社は取引先の管理能力がない」「あの会社は危ない会社と取引している」といった噂が広がってしまうのです。 自社の評判を落とさないためにも、与信管理をきちんと行う必要があります

さらに、営業的な側面のリスクとして、貸倒れを経験したりすることで、新規取引の開始に及び腰になる恐れがあります。 新規取引先がきちんと代金を払ってくれるかどうか、経営状況が健全か否か、保証してくれる人はいません。 不安になって新規取引を渋ってしまうことは、企業の成長にブレーキをかけ、営業のモチベーションが下がる要因になるでしょう。 与信管理を行うことで、判断基準を培い、自信を持って新規取引を開始することができるようになります

与信管理のやり方

与信管理を行っていない企業にとって、新しく与信管理を導入するのは大変なことかもしれません。
しかし、いつまでも行き当たりばったりで取引先を続けていけば、業況が悪化した時に悪影響を及ぼすことは間違いありません。 中小企業であれば審査部や管理部がないこともあるでしょう。部門は別部署が兼務するところから始め(営業部と兼務しないようにしてください)、焦らずコツコツと会社に業務のノウハウを蓄積していきましょう。
既に与信管理を行っていて、その内容に問題がある場合はこちらから記事を探すか、アラームボックス社までお問い合わせください

与信管理のプロセス

与信管理は、段階に応じて、新規取引先決裁時の「与信承認プロセス」と、取引がスタートしてから継続的に行う「与信事後管理プロセス」に分かれます。

与信承認プロセス

与信承認プロセスでは、新規取引先の信用調査(会社情報の調査)と、集められた情報による取引の可否や与信限度額の決裁を行うプロセスです。情報は定量、定性面両方から集められます。

商談開始

新規取引先の候補ができたときは、営業部から審査部や管理部へ新規取引先の審査などを依頼します。管理部などがまだない小規模事業者などの場合は経営陣や経理などが代行してもいいですが、営業部が兼務しないように気をつけてください。第三者がチェックする体制になっていることが大切です。

情報収集

新規取引先候補について、情報を収集します。情報収集は営業部が中心に行い、定量情報などを管理部が担当するなど適切に分業するようにしましょう。 直接企業と会って得られる情報の他にも調査会社の情報や与信管理サービスを利用しましょう。

信用力評価

管理部は、決算書や資本金などの定性情報や、業界内での評判や風評などから、多角的な分析を行い、取引先の信用力を評価します。

与信限度額の決裁

決裁者が営業部、管理部からの情報をもとに「取引を開始するかどうか」「取引の限度額をいくらにするか」の最終的な判断を下します。 事前に決裁者を決めておき、混乱が起きないようにしておきましょう。 また、判断は管理部営業部どちらかに偏ることのないように慎重に判断するようにします。 判断を管理部に渡した後、管理部で社内システムや台帳に必要事項を登録し、社内に共有します。

契約条件交渉

社内の決定を受け、営業部の担当者が取引先と交渉します。また、取引先から担保を取得する必要がある場合はその交渉をこの時点で行います。

与信事後管理プロセス

新規取引先と無事に取引が開始したら、それからも継続的に取引先を管理するのを忘れないようにしましょう。 企業は常に変わっています。また、売掛金がきちんと回収できているか確認し、遅れていれば催促しなければなりません。 与信限度額を超えていないかチェックしたり、与信限度額を変更したりする必要もあります。 取引先の信用評価が著しく下がった場合は取引の見直しを図ることも考えられます。

債権管理・入金管理

売掛金が期日通りに入金されているか管理します。入金がされていない場合には担当者へ連絡し連絡します。 入金されていても遅れがちな場合には注意する必要があるでしょう。
具体的には、金額や支払期日を記入するための売掛金元帳を作ります。売掛金の発生日・支払期日・実際の回収日・繰越額・入金方法などを記入します。
また、支払期日に合わせて請求書を発行します。請求書を発行しなかったから支払いを忘れたなどと言われることがないように注意しましょう。
ここで支払いが遅れた場合にはすぐに督促します。督促はすぐに行うことが重要です。それでも連絡が来なかったり、支払の延長を要請される時には異常事態として管理・共有しましょう。

与信限度額管理

与信限度額を設定している場合には、与信限度額を超えていないか管理しなければなりません。 与信限度額を超えて取引をしたい要望があるときは、再度信用調査を行います。与信限度額の変更は取引の履歴や金額、取引先の信用などを精査した上で行いましょう。

問題先・事故先管理

取引先の信用力が低下したときなどは、臨時で調査をして、担保を設定したり売掛金の保証サービスなどを利用します。 取引先が倒産した場合には回収は難しくなりますが、少しでも被害を抑えるため行動します。

まとめ

企業として、適切な与信管理を行い継続していくことはとても重要です。 与信管理のノウハウを社内に溜め、リスクを最小限にしながら、活発な企業活動を続けていきましょう。
与信管理を続けていくことが、会社を守り、利益を出すことにつながります。

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