倒産とは


倒産とは、経営悪化などで会社の資金繰りが厳しくなり、事業が継続できなくなることです。会社が倒産すると債務の支払いはストップし、ルールに則って倒産手続がとられます。

目次

  1. 1.倒産の意味
  2. 2.銀行取引停止処分とは
  3. 3.廃業とは
  4. 4.倒産しそうな会社の予兆
  5. 5.倒産の原因

倒産の意味

実は「倒産」という言葉は、法律での明確な定義がありません。一般的には「資金繰りに行き詰った企業が、事業継続できなくなった状態」のことです。
法人などが経済的に破綻して弁済期にある債務を弁済できなくなり、経済活動を続けることが困難になったときを指します。 より具体的に言えば、手形不渡りを出して銀行取引停止処分になったり、裁判所で破産手続き、民事再生手続き、会社更生手続きなどを行う法的整理や 債務整理を債権者や弁護士などに委ねる私的整理などがあります。

倒産の定義
6カ月以内に2回、手形や小切手の不渡りを出し、銀行取引停止処分になること
会社更生手続の申し立て
再生手続の申し立て
破産手続の申し立て
特別清算の申し立て
私的整理

銀行取引停止処分とは

企業が同一の手形交換所管内で6カ月以内に2回、手形や小切手の不渡りを出すと、金融機関との当座勘定や貸出の取引が停止されます。これを「銀行取引停止処分」といいます。また、このような状態を「事実上の倒産」と呼称します。 銀行取引停止処分になっても普通預金口座が閉鎖されることはなく、入金は行われますが、債務がある場合凍結される可能性があります。

廃業とは

経営者が自主的に事業をやめることを廃業といいます。保有している資産の整理や債券回収、債務の弁済などを済ませることが必要です。 経営者の高齢化や後継者の不在などで廃業することは多くあります。

企業が倒産に至るまでの段階

企業が経営悪化に陥り、資金が不足すると倒産します。経営悪化の原因は様々ですが、共通の兆候が多く見られます。与信管理の精度をあげるため、兆候を見逃さないようにしましょう。

業績不振

業況が悪化したり、競合他社との競争が激しくなったりなど、様々な要因で売上高が低迷すると、企業は赤字に陥ります。 業績不振に陥った企業は窮状を打破しようと経営改善努力(リストラ)に乗り出します。

  1. 経費削減
  2. 人件費削減(人員整理)
  3. 不動産の売却

リストラによって業績を持ち直すことももちろんありますが、こういった動きが見られた場合には動向には注視したほうがよいでしょう。

赤字の慢性化

赤字が慢性化すると、企業は常に資金繰りに追われる可能性があります。 資金不足に陥ると、取引銀行数の増加や商品の安売りなどが起きます。また、営業部や経理部の幹部が退職したり、担当者や経営者と連絡がつながりにくくなることもあるかもしれません。 時には「粉飾決算」を行い信用をつなぎとめることもあります。

倒産直前の段階

資金繰りが行き詰ってくると、通常は取らないような金策に走るようになります。以下のような動きが見られたら警戒したほうがいいでしょう。

危険な借入・資金調達
支払期日より前に売掛金を集金する
少人数私募債を頻発する
融通手形を振り出す
高利の借入を行う
家賃の支払い遅延
給与の支払い遅延
電気・ガス・水道代の支払い遅延
リスケジュール
手形ジャンプで支払いを遅らせる
家賃の支払い遅延
従業員の給与の支払い遅延
電気・ガス・水道代の支払い遅延

銀行借入などの資金調達ができなくなると、危険な借入をしたり、支払期日をリスケジュールすることになります。 支払期日が守れないことは、やがては仕入れを止められたり、従業員が辞めていくことにつながります。 また、粉飾決算などで融資を得たことが発覚した場合、罪に問われたり、銀行から追加融資を一切断られる可能性があります。

倒産しそうな会社の予兆

倒産しそうな会社は資金繰りに奔走することになりますが、取引相手として外部から見た時、どういった兆候が表れるでしょうか。

経理の退職

経理担当者や経理幹部は会社の資金繰りがどうなっているか誰よりも把握しています。経理部門の退職が続くのは危険なサインの可能性があります。

役員の退職

会社の意思決定を担う会社役員の退職は、危険な兆候の可能性があります。特に立て続けに退職している場合は要注意です。

監査法人の変更

企業が粉飾決算に手を染めている場合、監査法人の変更を繰り返す場合があります。また、コスト削減のため中小の監査法人へ変更している可能性もあります。

行き過ぎた経費削減

経費の削減は企業努力の一環ですが、必要な経費を減らしてしまったり、常識外れな経費削減は職場環境を悪化させます。 電気や備品など、訪問した取引先の変化を見逃さないようにすることも大事な情報源です。

早期退職募集

リストラの一環として退職金の割り増しなど有利な条件で退職希望者を募集し、人員を削減する方法です。 人件費は会社の経費の中で大きな割合と占めるので経費削減効果は強力ですが、社内のノウハウや技術が失われたり、業務が行き詰ったりしないか注意が必要です。

給与減額

法的には労働者の給与は簡単に下げることはできません。 しかし、労働者の同意を得たり、残業代の不払いや賞与の減額など事実上の給与減額は多くあります。 経費削減がうまく軌道に乗ればいいですが、社員のモチベーションの低下や退職者の増加、悪評の拡散につながれば会社の経営が危ぶまれます。

支払い条件(支払サイト)の変更要請

取引先への支払い条件の変更(特に期日を遅らせる場合)は危険な兆候です。また、現金払いから手形への変更も注意です。

支払期日より先に売掛金を回収しにくる

取引先から売掛金を支払期日より前倒しで回収をお願いされた場合はかなり危険な兆候です。 親しくしている経営者なら応じる可能性もあるかもしれませんが、資金繰りが既に行き詰っている可能性が高く、悪評もすぐに回ってしまうでしょう。

経営者の不明な外出

取引先を訪問したり電話をした際、経営者の行き先のわからない外出が多い場合、資金調達に走っている可能性があります。 資金繰りが行き詰っていて倒産が近い場合、経営者は社員にはなるべく気づかれないように行動します。

会社の資産の売却

不動産や株、機械などの会社の資産を売却している場合、経営悪化している可能性があります。

倒産の原因

販売不振

売上高が減少し、収益が伸びないと企業は販売不振に陥ります。

既往のしわよせ

長期的に業績が悪化していても把握していなかったために倒産してしまうことを「既往のしわよせ」といいます。 経営指標を持たず、キャッシュフローを把握していない状態では、経営が悪化した際に倒産は免れません。 いつの間にか会社の資産が底をついていたという事態になることがあり得ます。

過小資本

以前は株式会社を設立する際には最低でも1,000万円の資本金が必要でした。最低資本金制度が撤廃されてから、少ない資本金で会社を設立することができるようになりした。 少ない資金で開業できるようになったメリットとは裏腹に、資本金が少なすぎれば事業が回りはじめて利益が出る前に倒産ということにもなりかねません。

放漫経営

経営者が会社を私物化したり、経営管理ができていなかったりする場合、企業は最悪の場合倒産に追い込まれる場合があります。 企業が儲かっている時(資金が潤沢にある時)は経営管理が杜撰でも問題に上がりませんが、 経営が悪化して後戻りができなくなった場合に明るみに出ることが多くあります。 経営者が会社の資金を私的流用していた場合、金融機関から追加融資を断られたり減額される可能性もあります。

連鎖倒産

取引先の倒産の影響を受けて、自社も倒産してしまうことを言います。 原因は様々ですが、売掛金の未収金が多かったり、新しい取引先や仕入先を見つけられないことなどが考えられます。 こういったことを防ぐためにも、与信管理を行ったり、売掛金の保証サービスを使うなど、リスクに備えておきましょう。