インド洋にあるモーリシャス島南東部の沖合を航行していた貨物船「WAKASHIO」が現地時間7月25日にサンゴ礁に座礁しました。
Drone footage shows the extent of the oil spill in Mauritius https://t.co/p7sIoWzf2Q pic.twitter.com/2kPVcwOs76
— The National (@TheNationalUAE) 2020年8月9日
乗組員にけが人はいませんでしたが、悪天候により離礁することができず、現地時間8月5日に燃料タンクに亀裂が発生。約1180トンの燃料油が流出しました。船の周囲にオイルフェンスを設置していましたが流出は防げませんでした。
船内の燃料タンクに残っていた燃料はすべて取り除かれ、本船上に残っていた約3000トンの油は現地時間8月12日までにほぼ全量を回収されましたが、現地時間8月14日に船倉に残っていた100トンの燃料が流出し始め、回収作業を行っていました。
さらに、現地時間8月15日には船体に亀裂が入り船体が真っ二つに分断されました。船内の燃料タンクは回収済みのため、さらなる油の流出は限定的としています。沿岸部へのこれ以上の被害を防ぐため、オーシャンタグを使って分断された船首側の牽引を行っています。
追記
現地時間18日に「WAKASHIO」の船長と、副船長2人が航海の安全を脅かした容疑でモーリシャス警察に逮捕されました。2人は保釈が認められず、取り調べを受けています。
事故を起こした船舶「WAKASHIO」は、「長鋪汽船株式会社」の関連子会社「OKIYO MARITIME COPR」が所有する積み貨物船で2007年に竣工されました。船籍はパナマ、乗組員20人(インド人、スリランカ人、フィリピン人)、運航は「株式会社商船三井」が行っていました。貨物は積まれてませんでしたが、燃料の重油3800トンとディーゼル油200トンが積まれていました。
モーリシャスの海はサンゴ礁、マングローブ、海藻によって多種多様の生態系がつくられており、燃料流出による環境被害によってモーリシャスの観光業に影響が出る恐れがあります。モーリシャス政府は14日付の声明で、環境汚染による損失や損害の法的責任を追及すると表明しており、国民に被害を証明する書類や写真の提出を求めました。
長鋪汽船株式会社 概要
長鋪汽船株式会社の評判
長鋪汽船株式会社や今回の事故について、ネット上では様々な投稿があります。
モーリシャスの座礁の件、船籍はパナマ、運行は商船三井、船主は長鋪汽船、船長はインド人と、入り組んだ構造なので法規の授業で格好のケースになりそう。
ニュースではあまり記載されてないから分からないけど多分モーリシャス領海なのかな?賠償責任は船主で、実際のお金は保険会社から支払いか。— にゃぐ (@_nogu) 2020年8月14日
日本の海運会社、長鋪汽船(岡山県笠岡市)が所有する大型貨物船である。
乗組員は無事だったが、周辺のサンゴ礁や海洋資源、観光産業への影響が懸念される。
日本政府としても、援助出来る事はないのだろうか?
民間任せでは、心もとない。 https://t.co/s5X0wv8sGo— アンフェア (@reonob) 2020年8月9日
【船座礁 Wi-Fi求め陸に接近か】https://t.co/85MncgCP0Y
モーリシャス沖で日本の貨物船から重油が流出した事故で、地元メディアによると、乗組員がWi-Fi接続のため陸に近付いたと話していることが判明。モーリシャス政府は日本企業に損害賠償を求める方針。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2020年8月14日
【モーリシャス沖の重油流出事故に関する声明】WWFは環境への影響が甚大になる恐れがあると懸念し、8月12日に声明を発表しました。
WWFジャパンはWWFマダガスカルを通じ複数の現地NGOと連絡を取りながら状況の把握を急ぎ進めています。進展があり次第WebやSNSでご案内します。https://t.co/xk18CGCcMV— WWFジャパン (@WWFJapan) 2020年8月14日
モーリシャス座礁タンカー「わかしお」
沖洋海上(釜山):船舶オーナー
長鋪汽船株式会社(岡山県):船舶ブローカー(リース会社のようなもの)
商船三井:(貨物オペレーション)船舶業ビジネスモデルは租税回避や船員ブローカーなどが絡み、意外に複雑です。https://t.co/tE9UoHxLBv
— 佐倉 淳 (Jun Sakura) (@JunSakura_Japan) 2020年8月16日
今朝のニュースでモーリシャスの油濁事故について商船三井の船がという表現がなされていたのですが、明らかに不正確。船員の過失により生じた船舶事故については原則、船舶所有者が責任を負うのであって(商法690条参照)、今回であれば長鋪海運さん。(続く)
— K.Minami (@farnorthprof) 2020年8月16日
モーリシャス、賠償請求へ 座礁日本船が完全に分裂https://t.co/V1LrSRvKtO
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2020年8月16日