【株式会社未来設計】倒産情報レビュー(第42回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

42回目の倒産情報レビューは、有料老人ホーム「未来倶楽部」や「未来邸」を運営していた「株式会社未来設計」です。

株式会社未来設計 概要

会社名株式会社未来設計
代表者洞 寛二
所在地東京都中央区日本橋箱崎町9番1号
法人番号3010401044708
業種医療,福祉 > 社会保険・社会福祉・介護事業 > 老人福祉・介護事業
資本金9,000万円
倒産日2019年1月22日
倒産種別民事再生
負債総額約53億8,626万円

株式会社未来設計について

株式会社未来設計は2000年設立。2002年以降は年間3~4施設のペースで、東京、神奈川、埼玉、千葉を中心に有料老人ホーム「未来倶楽部」を開設し、2017年12月時点で37店舗にまで拡大させました。2018年以降は施設の新規開設の動きが止まり、同年7月に介護事業所の事業再生では実績のある福岡の同業者に全株式を譲渡することが発表されました。

しかし、同年12月に入ると、入居者からの預かり金がなくなっているなどの不正経理疑惑が発覚し、同社の株式を譲り受けた会社が同社の創業者らを提訴する意向であることが報道されました。これまでの施設開設に伴う設備投資費用の増加や、従業員の定着率が低いために人材を補充し続けなければならず、それに伴う採用コストの増加といった、資金環境の悪化とともに同社に対する信用不安が高まっていたなかで不正経理疑惑が発覚し、経営が行き詰まり、民事再生の申立に至りました。

それでは、倒産に至るまで、実際にどのような情報が流れていたのかを見てみましょう。

株式会社未来設計の倒産までのアラーム情報まとめ

株式会社未来設計 倒産情報

オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「株式会社未来設計」の事後検証結果(一部省略)

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しています。

2015年頃から、ブログ記事で同社の創業者について、「脱税、介護保険料の不正請求、預託金・入院一時金の不正流用の疑惑」などの記事があり、「注意」のアラームが発生しています。

2016年から2018年にかけて、「人員不足、ワンマン経営」、「パワハラ」、「入居者への説明不足により、度々入居者と施設側で問題が発生している」など、従業員と思われる書き込みがあり、「チェック」のアラームが発生しています。

2018年1月になると、同社社員と思われる人物から、「創業者とその部下からパワハラ受け従業員が自殺した」という内容の告発文書がブログで公開され、「注意」のアラームが発生しています。

2018年7月に入り、福岡の同業者に未来設計の全株式を譲渡するという記事がポータルサイトに掲載され、「チェック」のアラームが発生しています。

2018年11月になると、調査会社から同社の粉飾疑惑の情報が入り、「要警戒」のアラームが発生しています。

2018年12月以降は、「入居者の一時金26億円不明、訴訟問題へ発展」、「退去返還金が返金されない」といった一連の報道があり、「要警戒」のアラームが続き、2019年1月に民事再生の適用を申請し倒産しました。

同社については、倒産後も創業者に関する黒い噂に関する記事や、創業者が不正な経理について話す音声データを入手した等の報道がなされ、継続的に「要警戒」のアラームが発生しています。

株式会社未来設計の倒産情報から分かること

インターネットで「株式会社未来設計 倒産」や「未来倶楽部 創業者」で検索すると様々な情報が出てきます。今回の倒産では、取引前に直近の業績や事業規模のみならず、創業者や経営者の人物背景等の調査が重要であることを改めて考えさせられました。