【アートスポーツ】倒産情報レビュー(第8回)

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画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

こんにちは。アラームボックスのデータ解析担当タカです。

今回、8回目の倒産情報レビューは、老舗スポーツ用品販売店の運営を行う「株式会社アート・スポーツ」です。

会社の基本データはこちら

会社名株式会社アート・スポーツ
代表者木村 正男
資本金5,000万円
倒産日2017年5月9
倒産種別破産
負債総額15億円内外

株式会社アート・スポーツは1969年4月に設立(創業は1969年)したスポーツ用品販売を行う法人で、東京都内を中心に「ART SPORTS」や「OD・BOX」という自社ブランド店舗の運営を行っていました。各種スポーツ用品を取り扱う「ART SPORTS」はランニング用品など初心者からアスリートにいたるまで幅広いニーズに対応する豊富な品揃えで、多くの支持を集めました。また「OD・BOX」は2010年10月に「本店」と「ANNEX店」の2店舗を統合によりリニューアルオープンした「新本店」など、こちらもアウトドア用品の品揃えや店員の豊富な商品知識を売りとして、愛好者などから相応の知名度を有していました。

2020年開催の東京オリンピックに向けた追い風の中、突然の老舗企業の破産に驚かれた方も少なくなかったのではないでしょうか。

それでは、倒産に至るまでにどのような情報が流れていたのかを見ていきましょう。

オンラインデータを活用したリスク管理ツール「アラームボックス」による「株式会社アート・スポーツ」の事後検証結果

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しているようです。

最初のアラームとして2011年5月に池袋店の閉店に関するアラームが発生しています。2015年の日比谷店閉店の際には、SNS上で渋谷店の苦戦ぶりにも触れられています。知名度を有する同社の店舗でさえも、近年集客に苦心していたようです。同社の状況が大きく変動がみられたのは業務提携先から動産の譲渡登記が設定された2016年2月以降です。以降、業界内では信用不安説が一気に広がり、同社に対する問い合わせが急増しました。

2017年のゴールデンウィーク明け直後に、本店の閉店とともに同社の破産が報じられましたが、不採算店の閉店等の経営改善策も実らず、売上不振が徐々に同社の体力を削ぎ落していったようです。

インターネットで「アートスポーツ 倒産」で検索すると様々な情報が出てきます。一旦閉店していた店舗は、運営会社が変更となり12日から再開しているようです。店舗再開を喜ぶ意見がある一方、Twitterなど一部SNS上では、多額の未回収が発生した元運営会社の債権者らから怒りの書き込みが見られました。「規模が大きい」「有名だから」という理由だけで、日頃の債権管理を疎かにしてはならない事を、今回の倒産で改めて実感させられました。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、倒産の前兆になる情報を入手しています。閉店情報や、動産の譲渡登記などの情報は、与信管理をするうえで注意をしていく必要がありそうです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
また、次回お会いしましょう。毎週火曜日に更新予定です。