【株式会社キュージーエス】倒産情報レビュー(第50回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

50回目の倒産情報レビューは、東京都渋谷区に本社を構え、東京23区を中心に、RC住宅を施工管理していた「株式会社キュージーエス」です。

株式会社キュージーエス 概要

法人名株式会社キュージーエス
代表者草垣 明
所在地東京都渋谷区上原3丁目26番7号
法人番号7010401117724
業種建設業 > 総合工事業 > 建築工事業(木造建築工事業を除く) > 建築工事業(木造建築工事業を除く)
資本金3,600万円
倒産日2019年7月10日
倒産種別破産
負債総額約10億円

株式会社キュージーエスについて

株式会社キュージーエスは2014年に設立。もともと鉄筋工事業として指導したQGSが、2015年より法人化し投資用マンションやアパートなどのRC(鉄筋コンクリート)住宅の施工管理業へと転換しました。

主に都内を中心とした狭小・低層のRC施工に特化しており、自社内で企画から竣工まで行うことによって、大手より低価格帯で提供できることを強みとしていました。
しかし、近年では一部の掲示板や口コミサイトに「未払い金が発生している」「事務所がたたまれている」といった書き込みが散見されていました。
そのため、「倒産するのも時間の問題」と一部で注目を集めていましたが、2019年7月に破産手続きを開始したことが明らかになりました。

株式会社キュージーエスの倒産までのアラーム情報まとめ


オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「株式会社キュージーエス」の事後検証結果(一部省略)

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しています。

最初のアラーム情報として、2017年8月にSNS上にて、「同社の作業員が近所の洗濯物に煙がかかっていることもお構いなしに、タバコを加えながら作業していた」という悪評が投稿され、「チェック」のアラームが発生しています。

2018年に入ると、同社に対する問い合わせが増加したため、独自情報として「注意」のアラームが発生しています。

2019年1月には、当社の提携調査会社から「株式会社キュージーエスが多岐に渡り、支払い遅延の噂がある」という同社の支払い遅延に関する情報が入り、「注意」のアラームが発生しています。

その直後、自社ホームページへのアクセスが不能になったとして、「要警戒」のアラームが発生しています。

それから立て続けに、掲示板や口コミサイトにて「未払い金が発生している」「6棟くらいが施工途中のまま放置されている」という同業者と思われる書き込みが投稿されたため、「要警戒」のアラームが発生しています。

同年2月、当社の提携調査会社から「各所において支払いが遅延。業容拡大で資金需要が増大し、資金繰りが厳しい」という同社に対する支払いに関する 情報が入り、「要警戒」のアラームが発生しています。

以降は、「社長や役員とも電話がつながらなくなっている」といったクレームや、「2017年頃から、同社は計画倒産にシフトした」といった疑惑などの書き込みが相次いで投稿されたため、断続的に要警戒のアラームが発生し、2019年7月破産手続きを開始し、倒産に至りました。

株式会社キュージーエスの倒産からわかること

インターネットで「株式会社キュージーエス 倒産」、「株式会社キュージーエス 未払い」で検索すると様々な情報が出てきます。

今回の倒産では、一部の掲示板や口コミサイトには支払いに関するクレームや悪評を含めた書き込みが多く見られました。ネット上には、消費者だけでなく同業他社など多岐に渡る情報が存在しているため、与信管理や企業調査をする上で定性情報も合わせてチェックすることが重要であることを改めて認識させられた事例となりました。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、継続的に倒産の前兆となりうる情報を入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。