こんにちは。アラームボックスのデータ解析担当タカです。
今回、17回目の倒産情報レビューは、著名アパレルブランド「EGOIST(エゴイスト)」の仕入担当部門として設立された法人の「株式会社ゾディアック」です。
会社の基本データはこちら
会社名 | 株式会社ゾディアック |
代表者 | 桐生 隆 |
資本金 | 1,000万円 |
倒産日 | 2017年7月19日 |
倒産種別 | 破産 |
負債総額 | 26億円内外 |
株式会社ゾディアックは2000年2月に有限会社ゾディアックとして設立された法人(2006年9月に改組)で、主にグループ企業の仕入業務を担当していました。渋谷109系ギャルファッションの代表格として知られる「EGOIST(エゴイスト)」の関係会社とはいえ、近年続いているアパレル不況下では同社についても例外ではなかったようです。
ゾディアック社の倒産を報じる記事によると、同社は多額のデリバティブ取引による損失を抱え、それらが資金繰りに大きく影響し、経営悪化の引き金となったとの事でした。グループ全体の業況が下降傾向にある中、2015年3月にはEGOIST(エゴイスト)グループの鬼頭氏が取締役を辞任しており、それまで楽観視していた取引先からも同社に対し不安視する意見が高まりました。
それでは、倒産に至るまでにどのような情報が流れていたのかを見ていきましょう。
上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しているようです。
最初のアラーム発生では関連会社の運営している店舗の閉店情報が発生しています。その後も短い期間で店舗閉鎖が発生しており、業況の悪さが懸念されてました。
そうした中、2016年11月に当社の提携先調査会社の情報として「支払関係」の不安情報を入手し「注意」のアラームが発生しています。さらにその後、当社の独自情報としても「支払関連」に関する不安情報を入手し、アラームレベルを「注意」から「要警戒」に引き上げて発信しています。2017年6月には主要取引先である関連会社の株式会社アセットナイン(旧商号:株式会社デュラス)が倒産し、破産手続開始となった旨が報じられ、ゾディアック社についても破綻が近いのではないかと見られていました。
株式会社ゾディアックの倒産情報からわかること
インターネットで「ゾディアック 倒産」で検索すると様々な情報が出てきます。
今回の倒産では、EGOIST(エゴイスト)の関係会社の業況悪化や、ゾディアック社に関する支払関連の情報が事前に出回っていたため、倒産前に債権保全の対策を施す時間はありました。しかし、現実として多くの企業は売上維持に苦慮しており、企業によっては債権保全よりも、目先の売上維持を優先する傾向が見られるようです。実際に貸し倒れが発生してから与信管理の重要性を再認識する企業も少なくありませんが、貸し倒れにより発生した損失を取り戻すためには、損失額の数倍もの新たな売上を要することを忘れてはいけません。
当社では「アラームボックス」の運営を通じて、継続的に倒産の前兆となりうる情報を入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。
最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。また、次回お会いしましょう。毎週火曜日に更新予定です。