【株式会社木乃幡】倒産情報レビュー(第45回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

45回目の倒産情報レビューは、凍天や一升餅などの餅製品等の製造小売業の「式会社木乃幡」です。

株式会社木乃幡 概要

会社名株式会社木乃幡
代表者木幡 喜久雄
所在地福島県南相馬市原町区鶴谷字北迎48番地
法人番号8380001016248
業種製造業 > 食料品製造業 > パン・菓子製造業 > その他のパン・菓子製造業
資本金1,000万円
倒産日 2019年4月20日
倒産種別事業停止(自己破産)
負債総額約7億7,400万円

株式会社木乃幡について

株式会社木乃幡は、1965年創業。同社は、福島のソウルフードとして知られる「凍天」や「一升餅」などの餅菓子の製造・販売を主な事業としていました。

2011年の東日本大震災後、原発事故の風評被害や被災した本社工場の移転を余儀なくされるなど、経営状態は安定しませんでした

2014年に多額の借入を行い宮城県に新本社工場を移転し、再建を図る中、2016年頃にアイドルグループのメンバーがメディアで木乃幡社の凍天を紹介したことにより凍天の注文が殺到するなど、一時的に復調の兆しが見えました。

かし、風評被害による売上減少の影響は大きく苦しい経営が続きました。そのような状況の中、被害からの復旧の頼みの綱としていた電力会社からの和解案の賠償額が、実損額の1/50相当(約1,600万円)に留まったとの公表がありました。

その後、一旦閉店に追い込まれた木乃幡社の本店店舗を再オープンするため、クラウドファンディングでの資金調達を試みますが、そのプロジェクト期間中に中止が発表され、中止となって間もなく事業停止に至りました。

それでは、倒産に至るまで、実際にどのような情報が流れていたのかを見てみましょう。

株式会社木乃幡の倒産までのアラーム情報まとめ

株式会社木乃幡 倒産情報

オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「株式会社木乃幡」の事後検証結果(一部省略)

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発しています。

株式会社木乃幡の最初のアラーム情報として、2016年1月に「給与遅配や給与が分割で支給される」といった従業員と思われる書き込みが掲示板サイトにあり、「注意」のアラームが発生しています。

同年9月、アイドルグループのメンバーが同社の「凍天」をメディアで紹介したときの様子が掲示板に書かれ、「チェック」のアラームが発生しています。

2018年2月には、木乃幡社が東日本大震災の被災地で活動する会社と新商品を開発したと報じる記事があり、「チェック」のアラームが発生しています。

2019年3月に入ると、東京電力との財物の損害賠償交渉に関する記事がポータルサイトに掲載され、「注意」のアラームが発生しています
その直後に、クラウドファンディングによる資金調達を行い、再起をかけるという記事がポータルサイトに掲載され、「注意」のアラームが発生しています。

しかし、2019年4月、同社はクラウドファンディング期間中にプロジェクト中止を発表し、「要警戒」のアラームが発生しています。

そして、同月、事業停止し倒産に至りました。

株式会社木乃幡の倒産情報から分かること

インターネットで株式会社木乃幡 倒産、「株式会社木乃幡 事業停止」で検索すると様々な情報が出てきます

株式会社木乃幡は風評被害による売上低下と工場移転費用の借入負担が重なって、急速に同社の財務状況を悪化させる事になりました。

TwitterなどSNS上では同社の倒産後、「凍天」の製造が終わってしまう事を惜しむ声が数多く聞かれました。今年で東日本大震災発生から丸8年が経過しましたが、株式会社木乃幡の倒産は被災地の復旧までの道のりが厳しい事を改めて感じさせられる事例となりました