【りょうしん電気】倒産情報レビュー(第10回)

太陽光倒産情報

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

こんにちは。アラームボックスのデータ解析担当タカです。

今回、10回目の倒産情報レビューは、太陽光設備関連の施工販売を手掛ける「株式会社りょうしん電気」です。

会社の基本データはこちら

会社名 株式会社りょうしん電気
代表者 飯塚 強
業種 太陽光関連
資本金 3,000万円
倒産日 2017年5月25
倒産種別 破産
負債総額 4億円内外

株式会社りょうしん電気は2009年9月設立の太陽光設備の施工販売を行う法人で、翌年の姫路支店の開設を皮切りに東京、福岡へと順次拠点を開設し積極的な営業活動を展開していました。

また、同社の関連会社に施工・メンテナンスを実施する「りょうしんメンテナンスサービス」をはじめ、無農薬オーガニックの食材を使用した飲食店を運営する「りょうしんファーム」などで「りょうしんグループ」を形勢しており、同社のホームページによると2013年頃からメガソーラー設置も開始するなど最盛期の2015年9月期には売上高44億6千万円を計上し業容を順調に拡大しているように見えました。

同社の状態が変動し始めたのは2016年頃で、その時期を境に一気に暗転して行きました。
それでは、倒産に至るまでにどのような情報が流れていたのかを見ていきましょう。

【りょうしん電気】倒産情報レビュー(第10回)

オンラインデータを活用したリスク管理ツール「アラームボックス」による「株式会社りょうしん電気」の事後検証結果

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しているようです。

最初のアラームは2016年4月頃に求人サイトの口コミに掲載されたコメントからアラームが発生しています。要注意とまでは言えない内容ですが、上り調子の企業が陥りがちな傾向です。続いて代表者交代の際にアラームが発生してます。後々の調査によると前社長(創業者)の体調不良による交代だったようです。社長交代とほぼ同時期に、上り調子だった業績が一気に反転している事が判明し注意のアラームが発生しています。その後はたて続けに関連会社のトラブルが発生してます。決定的な情報は関連会社の「りょうしんメンテナンスサービス」を売却のプレスリリースです。不採算であったものの同社のメイン事業に関連する企業の売却ですので、警戒感は一気に高まりました。頻繁に更新されていた同社のホームページは2016年の夏頃の更新を最後に止まっており、その時期から同社の歯車は大きく狂い始めていたようです。

株式会社りょうしん電気の倒産情報からわかること

インターネットで「りょうしん電気 倒産」で検索すると様々な情報が出てきます。2012年に施行された固定価格買取制度により太陽光関連の業界は一時期活況を呈しましたが、その後、売電価格の低下や過剰気味な同業者間の競争により倒産件数は増加傾向にあります。

今回のりょうしん電気の倒産は、その典型的な事例であり、今後も同様の倒産が発生し続ける事が予想されます。

当社は「アラームボックス」や売掛金の保証サービス「セキュアボックス」の運営を通じて太陽光関連で支払振りに不安を抱える複数の情報を入手しています。しばらくの間、太陽光関連の取引先に対する与信管理体制には細心の注意を払う必要がありそうです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
また、次回お会いしましょう。毎週火曜日に更新予定です。