【医療法人社団冠心会】倒産情報レビュー(第48回)

 

画像はイメージです。

48回目の倒産情報レビューは、大崎病院東京ハートセンターを経営する「医療法人社団冠心会」です。

医療法人社団冠心会 概要

法人名 医療法人社団冠心会
代表者 遠藤 真弘
所在地 東京都品川区北品川5丁目4番12号
法人番号 3010705001446
業種 医療,福祉 > 医療業 > 病院 > 一般病院
資本金 4億6,000万円
倒産日 2019年7月31日
倒産種別 破産
負債総額 約42億6,200万円

医療法人社団冠心会について

医療法人社団冠心会は2005年に設立。同法人は「大崎病院東京ハートセンター」を経営する心臓や大血管疾患に特化した専門病院であり、心臓カテーテル手術などで数多くの実績を有することから広く知られていました。

しかし、以前から経営難が騒がれており、施設費用の負担が重くのしかかるなど赤字経営が続いていたようです。

一時はテレビや雑誌などのメディアに取り上げられたことから増収傾向にありましたが、2016年3月期には約10億4200万円の赤字を計上し、債務超過へと転落。さらには病院賃料や仕入れ先への支払い遅延が騒がれており、2018年12月には病院施設の所有権者と訴訟トラブルになっていました。

また、2019年4月には一部の週刊誌などで理事長夫人の法人資金の流用疑惑が報じられ、急速に信用が低下。それに加え、遠藤氏が理事長を兼務していた医療法人社団一成会が民事再生法の適用を申請したことから、医療法人社団冠心会の動向も注目を集めていました。

そうした中、債権者より破産手続きの申し立てを受けたことが明らかになりました。なお、「大崎病院東京ハートセンター」は通常通り営業を継続しているとのことです。

それでは倒産に至るまで、実際にどのような情報が流れていたのか見てみましょう。

医療法人社団冠心会の倒産までのアラーム情報まとめ


オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「医療法人社団冠心会」の事後検証結果(一部省略)

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しています。

最初のアラーム情報は、2016年8月に「詐欺容疑で逮捕された容疑者と理事長夫妻に関わりがあった」という疑惑が報じられ、「注意」のアラームが発生しています。

2017年に入ると、埼玉医大にて手術を依頼した医師とは別の医師が執刀をしたとして、手術から半月後に患者が死亡したというニュースが報じられました。
この報道を受けて、「大崎病院・東京ハートセンターでも似たような状況になったことがあり、手術当日には別の医師が執刀した」といった書き込みが口コミサイトに投稿されたため、「注意」のアラームが発生しています。

2019年2月には、当社の提携調査会社から「大崎病院・東京ハートセンターにて支払い遅延の噂がある」という同法人の支払い遅延に関する情報が入り、「注意」のアラームが発生しています。

続いて、同年3月に「病院の物件オーナーが建物明け渡し訴訟を提起した」という同法人の訴訟に関する独自情報を入手し、「要警戒」のアラームが発生しています。

その直後の4月には、当社の提携調査会社から「同法人の従業員に対する給与遅延が発生している」という同法人の給与遅延に関する情報が入り、「要警戒」のアラームが発生しています。

同年5月に、遠藤真弘理事長が兼務している「医療法人社団一成会が民事再生を開始した」として「要警戒」のアラームが発生しています。

以降は東京ハートセンターにて勤務する心臓血管外科の医師の退職が相次いで起こったため、「要警戒」のアラームが断続的に発生し、同年8月に破産手続きにおける包括的禁止命令および保全管理命令を受け、倒産に至りました。

【追記】2019年8月27日に民事再生法の再生手続開始決定を受け、今後は「医療法人社団森と海東京」の支援のもと再生を目指していくとのことです。

医療法人社団冠心会の倒産情報からわかること

インターネットで「医療法人社団冠心会 倒産」、「医療法人社団冠心会 噂」で検索すると様々な情報が出てきます。

今回は訴訟の提起や給与の遅延など、悪評や疑惑が後を絶たず、倒産の前兆となるものがいくつも見受けられました。現代では、ネット上に情報があふれ、噂や口コミなどの風評はネット上に拡散される時代となりました。こういったネット上の情報をチェックし続け、情報を精査することがいかに重要か改めて認識させられる事例となりました。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、継続的に倒産の前兆となりうる情報を入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。

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