【日東通信機】倒産情報レビュー(第11回)

会社更生法 2017

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

こんにちは。アラームボックスのデータ解析担当タカです。
今回、11回目の倒産情報レビューは、各種通信機器などの製造販売を行う「日東通信機株式会社」です。

会社の基本データはこちら

会社名 日東通信機株式会社
代表者 高石 見機
資本金 6,000万円
倒産日 2017年5月31日
倒産種別 会社更生法
負債総額 28億円内外

日東通信機株式会社は1954年(昭和29年)11月設立した法人で、東芝やNECなど大手電機メーカーを主力販売先に抱え、福島県福島市の工場で各種通信機器や放送映像装置の製造を行っていました。

同社は業歴が60年を超える老舗企業ですが、業績低迷により借入金は高い水準で重く圧し掛かり資金繰りを圧迫し続けました。そのため、近年、同社に対する信用不安情報が飛び交い、常に倒産の噂が絶えない企業のひとつでした。数年前から従業員のリストラや資産売却などを実施し、資金繰り改善に向けた取り組みが行われていたようですが、抜本的な経営改善には至らなかったようです。

それでは、倒産に至るまでにどのような情報が流れていたのかを見ていきましょう。

【日東通信機】倒産情報レビュー(第11回)

オンラインデータを活用したリスク管理ツール「アラームボックス」による「日東通信機株式会社」の事後検証結果

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しているようです。

古くは2008年頃からインターネット上の掲示板で同社の業績不振や資金繰りを疑わせる書き込みが増加し始めました。当時はリーマンショックに端を発した世界規模の経済危機により、同社に限らず大手企業においてもリストラなど不安な情報が飛び交う最中でした。

2012年9月頃には中小企業緊急雇用安定助成金の不正受給を指摘された件について公表がされています。資金繰りに窮している企業にありがちな不正行為ですが、同社の信用を一段と毀損する結果となりました。その後も掲示板上では給与遅配など不安情報が継続的に見られ、2016年に入ると同社の資金調達は限界に達していたようで、製造を行っていた福島工場の売却やノンバンクを通じた調達も見られるようになりました。

インターネットで「日東通信機 倒産」で検索すると様々な情報が出てきます。
同社は不安定な業績が従業員の意識低下につながり、その意識低下が更なる業績低迷を招くという、悪いスパイラルに陥っていたようです。いずれにしても2017年初の会社更生法の適用申請となった同社の再建には高いハードルが待ち受けているようです。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、倒産の前兆になる情報を収集しています。給与遅れなどの不安情報や、助成金の不正受給などの不正行為や行政処分の情報は、与信管理をするうえで注意をしていく必要がありそうです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
また、次回お会いしましょう。毎週火曜日に更新予定です。