【てるみくらぶ】倒産情報レビュー(第2回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

こんにちは。アラームボックスのデータ解析担当タカです。

今回の倒産情報レビューは、今、世間を賑わせている「株式会社てるみくらぶ」です。

会社の基本データはこちら

会社名株式会社てるみくらぶ
代表者山田 千賀子
資本金6,000万円
倒産日2017年3月27
倒産種別破産
負債総額151億円内外

株式会社てるみくらぶは1998年12月に設立された一般旅行会社で、自社サイト「てるみくらぶ」を通じて、格安海外ツアーの企画販売を行っていました。圧倒的な低価格を売りにしており相応のリピーターも抱えていた事から、同社の業容は倒産の直前期まで拡大傾向に有りました。

なお、同社の倒産時の負債総額は約151億円で、その内、一般旅行者に対する債務が約3万6千人に対し100億円近くにのぼるそうです。事後の報道を見てみると、同社は数年前から粉飾決算に手を染めはじめ、債務超過は75億円に達するとも聞かれます。同社が加盟していた日本旅行業協会の「弁済業務保証金制度」による支払限度額は総額1億2千万円ですから、破産による配当も期待出来ない事を考えると、旅行代金の回収はほぼ絶望的と言えるのではないでしょうか。

今回の倒産劇は、報道で発券トラブルが判明してから、破産申し立てまでの期間が非常に短時間でした。何らかの対策は出来なかったでしょうか。

それでは、倒産に至るまでにどのような情報が流れていたのかを見ていきましょう。

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オンラインデータを活用したリスク管理ツール「アラームボックス」による「株式会社てるみくらぶ」の事後検証結果

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しているようです。

残念ながら当社独自で入手している情報は、昨年の夏ごろに「海外業者への支払いが遅延している」との噂以外には、決定的な情報は見当たりませんでした。

ただし、従来より「余りにも格安すぎる代金」や「過激な現金払いキャンペーン」を行っている事に対する疑念の声はSNSの書き込みで見られました。同社との取引停止とまでは行かないまでも、取引条件の引き締めや予め債権保全対策を実施するなどの必要が有ったかもしれません。

ネットで「てるみくらぶ 倒産」と検索すると様々な情報が出てきます。今回の倒産劇はリーマンショック終了後、旅行業界最大規模の倒産となりました。早くも連鎖倒産が発生したとの情報も有りますので、今後、このような倒産劇は起きないで欲しいと願いたいものですね。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、倒産の前兆になる情報を収集しています。消費者の口コミ情報や、支払遅延などの情報は、与信管理をするうえで注意をしていく必要がありそうです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。また、次回お会いしましょう。毎週火曜日に更新予定です。