【株式会社アニメーションスタジオ・アートランド】倒産情報レビュー(第15回)

アニメスタジオ 倒産

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

こんにちは。アラームボックスのデータ解析担当タカです。

今回、15回目の倒産情報レビューは、アニメ映画「蟲師」などを手掛けたアニメの企画製作会社「株式会社アニメーションスタジオ・アートランド」です。

会社の基本データはこちら

会社名株式会社アニメーションスタジオ・アートランド
代表者岡野 国治
資本金1,305万円
倒産日2017年6月30
倒産種別債務整理
負債総額3億円内外

株式会社アニメーションスタジオ・アートランドは、2010年12月設立のアニメ企画・製作会社で、前身の法人である株式会社アートランドから現代表の岡野氏が企画制作部門を分離独立させるかたちで設立されました。

前身の法人である株式会社アートランドは創業者の故石黒昇氏のもと製作された「超時空要塞マクロス」が大ヒットし、当時同社に在籍していた若手のクリエーターらは、その後、数多くのヒット作に携わりました。

2004年以降にはTVアニメの元請けを開始し、2005年に放送された「蟲師」は東京国際アニメフェアで各種賞を受賞するなど、アニメファンならずとも知られる製作会社の1社でした。

ただし2010年の分離独立後には、大きなヒット作品には恵まれず厳しい経営が続いていたようです。

それでは、倒産に至るまでにどのような情報が流れていたのかを見ていきましょう。

【株式会社アニメーションスタジオ・アートランド】倒産情報レビュー(第15回)

オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「株式会社アニメーションスタジオ・アートランド」の事後検証結果

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しているようです。

最初のアラームは分離設立時の業界誌のネット記事です。現代表者の岡野氏がMBOで事業譲渡をうけた記事ですが、売却金額や分割前の業績にも触れられています。

設立直後の2011年には分割元のアートランドから債権譲渡登記の設定(設定会社は合併で消滅済み)を受けています。設定の経緯等は不明ですが、取引先からの保全強化のため「注意」のアラームが発生しています。

その後、同社の不安情報がSNS上で見られるようになりました。2012年にはTwitterで給与支払いに関する書き込みが見られ、2016年に入っても、2chにも同社の支払いに関する書き込みが見られました。

2016年には中国系のアニメ製作会社の傘下となり経営立て直しを目指していたようですが、同社の債務整理を報じる記事によると、近年業績が急激に悪化により債務超過に陥っていたとの事でした。

インターネットで「アニメーションスタジオ・アートランド 倒産」や「アートランド 倒産」で検索すると様々な情報が出てきます。

一部インターネット上での事業停止との書き込みが見られましたが、実際には事業停止ではなく、あくまでも債務整理を弁護士に委任した状態との事。いずれにしても今後、法的整理へ移行する可能性やスポンサー候補企業との交渉内容など、同社の動向には注目していく必要が有りそうです。

当社も「アラームボックス」の運営を通じて、継続的に倒産の前兆となりうる情報を入手しています。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。また、次回お会いしましょう。毎週火曜日に更新予定です。