2018.04.17
更新日:2019.10.25
不動産業界倒産情報レビュー
【欧倫ホーム】倒産情報レビュー(第27回)
27回目の倒産情報レビューは、愛知県を中心に注文住宅の建築やリノベーション事業を運営していた「株式会社欧倫ホーム」です。
株式会社欧倫ホーム 概要
会社名 |
株式会社欧倫ホーム |
代表者 |
尾崎 眞平 |
所在地 |
愛知県名古屋市 |
法人番号 |
8180001046975 |
業種 |
不動産売買 |
資本金 |
1億6,305万円 |
倒産日 |
2018年4月10日 |
倒産種別 |
事業停止・破産 |
負債総額 |
約19億円 |
株式会社欧倫ホームについて
株式会社欧倫ホームは1988年5月に設立。愛知県名古屋市に本社を構え、注文・分譲住宅の新築やリノベーションを手がけていました。テレビやラジオCMなどで知名度も高く、2012年には、約36億の売上を出していました。
しかし、2015年に消費税増税で住宅業界全体が縮小する頃になると、次第に口コミサイトなどで、欧倫ホーム社に関する悪評が広がるようになりました。2017年には子会社を売却し、動向が注目される中、今回の措置となりました。
それでは、倒産に至るまで、実際にどのような情報が流れていたのかを見てみましょう。
株式会社欧倫ホームの倒産までのアラーム情報まとめ
オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「株式会社欧倫ホーム」の検証結果
上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しています。
欧倫ホーム社の最初のアラーム発生は2015年6月で、住宅メーカーや工務店に関する評判を書き込めるサイトで、同社関連会社社長のトラブルについての書き込みでしたが、信ぴょう性や信用への影響度が不明なため、「チェック」としています。同年12月に、転職サイトの口コミも発生しましたが、大きな懸念情報ではないため、「チェック」のアラームとしています。
2016年5月には、口コミサイトで欧倫ホーム社の営業担当へのクレームが書き込まれ、一部は削除されています。一方で、2017年1月に、別の口コミサイトでは同社に対する好意的な書き込みも見られました。
2017年4月には、欧倫ホーム社が施工した住宅の雨漏りに関する補修や保証期間に関するトラブル対応についてのクレームが書き込まれ、「注意」のアラームが発生しました。さらに2018年に入ると、同社のアフターサービスの悪さや、社長および従業員の対応に関するクレームで「注意」のアラームが多発しました。
2018年4月には、欧倫ホーム社による施工中に工事が止まるなど、倒産を懸念する書き込みもあり、「要警戒」のアラームが発生しました。その後、懸念は現実のものとなり、2018年4月10日には事業停止し、破産準備中。さらに続報として、7月31日に名古屋地裁に破産を申請しました。
株式会社欧倫ホームの倒産情報から分かること
インターネットで「欧倫ホーム 倒産」や「欧倫ホーム 破産」で検索すると様々な情報が出てきます。今回の倒産では、消費者のクレームを含めた書き込みが倒産に至るまでに多くみられました。住宅という大きな買い物においては情報収集だけではなく、万が一とはいえ、工務店の倒産リスクも考慮しなくてはならない実態が浮き彫りになりました。
当社は「アラームボックス」の運営を通じて、継続的に倒産の前兆となりうる情報を入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。
最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。また、次回お会いしましょう。隔週木曜日の更新予定です。