【ユニゾホールディングス株式会】倒産情報レビュー(第60回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

60回目の倒産情報レビューは、東京都港区にてビジネスホテル「HOTEL UNIZO」の運営や不動産事業を展開していた「ユニゾホールディングス株式会社」です。

ユニゾホールディングス株式会社 企業情報

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法人名 ユニゾホールディングス株式会社
種別 民事再生法適用申請
信用度 詳しい与信情報はこちら
代表者 山口 雄平
商品名 HOTEL UNIZO
UNIZO INN
UNIZO INN Express
所在地 東京都港区三田3丁目4番10号
法人番号 6010001045269
業種 不動産業
資本金 320億6288万円
主要株主 株式会社チトセア投資

ユニゾホールディングス株式会社について

ユニゾホールディングス株式会社は1959年設立。同社はビジネスホテル「ホテルユニゾ(HOTEL UNIZO)」「ユニゾイン(UNIZO INN)」「ユニゾインエクスプレス(UNIZO INN Express)」の運営を行うホテル事業、オフィスビルの賃貸管理・不動産仲介を行う不動産事業を手掛けています。

上場廃止

同社は2009年に東証二部上場、2011年には東証一部に上場していました。しかし2019年、エイチ・アイ・エスによる敵対的TOB(株式公開買い付け)を受け、一度は退けたものの、その後ブラックストーン・グループからも敵対的TOB(株式公開買い付け)を受けました。

TOBに対抗するため、ローン・スター・ファンド(米)とユニゾホールディングス(株)の従業員が「株式会社チトセア投資」を設立。EBO(エンプロイー・バイアウト=従業員によって株式が買い取られること)が行われ(株)チトセア投資が同社の全株式を取得。それに伴い2020年に上場廃止となりました。

倒産(民事再生)

買収の際に発生した負債金額の返済が重く、自社で保有する東京駅前のビルや不動産を売却するなど返済に対応していました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響でホテル事業における利用客は減少し、収益の確保が難しい状態に。不動産売却により賃料収入もなくなったうえ、ホテル事業からの売り上げ確保も難しい状況が続いた結果、資金繰りが限界に達し、民事再生の措置となりました。

今後、同社は日本産業推進機構グループによる支援を受け民事再生を図ることが明らかになっています。
ユニゾホールディングス株式会社:“弊社による民事再生申立てのお知らせ”

ユニゾホールディングス株式会社の倒産までのアラーム情報まとめ

ユニゾホールディングス株式会社

オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「ユニゾホールディングス株式会社」の検証結果(一部省略)

上記の画像を見ると上場廃止後から倒産の兆候として何度かアラームが発生しています。

上場廃止後の2020年12月にSNSの掲示板上から、不動産を売却したことで業績がかなり悪化しているという書き込みがあり「チェック」のアラームが発生しています。

2021年に入ると、1月には発行社債の額面減少に関する独自情報を入手し「注意」のアラーム、SNSの掲示板上から退職者の増加や成長性への懸念に関する口コミがあり「チェック」のアラームが発生。2月にはビジネス誌の情報から、会社更生法の申立てを受ける可能性が出てきたとして「要警戒」のアラームと、当社の提携調査会社経由でホテルの半数を閉館する旨の情報が入り「注意」のアラームが発生。3月にはビジネス誌の情報から、経理部長辞任に関する情報が発生し「要警戒」のアラームと、当社の提携調査会社経由で業績悪化に関する情報を入手し「注意」のアラームが発生しています。

その後、8月にはビジネス誌の情報から、赤字拡大に関する情報が入り「注意」のアラームが発生。10月には同社に対する問い合わせの増加によって「チェック」のアラームが発生しています。

2022年に入ると、1月にはSNSの掲示板上より同社の経営不振が原因で退職した旨の口コミ情報が入り「チェック」のアラームが発生。2月には本店移転に関する登記情報の変更で「チェック」のアラームが発生。6月には店舗閉店のお知らせが掲載されたため「チェック」のアラームと、同社に対する問い合わせの増加によって同じく「チェック」のアラームが発生しました。

その後、2022年12月に同社が出した業績情報に関して「要警戒」のアラームが発生し、2023年4月に民事再生となりました。

ユニゾホールディングス株式会社の倒産情報から分かること

インターネットで「ユニゾホールディングス 倒産」「ユニゾホールディングス 評判」で検索すると様々な情報が出てきます。

今回の倒産では、一部の口コミサイトから業績に関する情報を早期に把握できただけでなく、ネット上のビジネス誌や業界誌から業績・辞任関連の情報を拾うことができました。また、アラームボックス独自で配信している情報や当社の提携調査会社からの情報も多く見受けられました。

SNSの口コミやビジネス誌・業界誌などインターネット上から収集するべき情報は広く、定期的に確認することで倒産の兆候となる情報が確認できること、また、与信管理専門の調査会社には倒産に関連する情報が集まりやすいことを再度認識させられる事例となりました。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、インターネット情報、独自情報、当社の提携調査会社からの情報と、多くの情報源から倒産となりうる情報を継続的に入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
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