【株式会社シティーヒル】倒産情報レビュー(第53回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

53回目の倒産レビューは大阪市中央区に本社を構え、レディース用ヤングカジュアル衣料品の「MAJESTIC LEGON(マジェスティックレゴン)」などを展開していた「株式会社シティーヒル」です。

株式会社シティーヒル概要

法人名株式会社シティーヒル
代表者中田勉
所在地大阪市中央区博労町4-5-9
法人番号2120001081117
業種婦人服小売業
資本金5,000万円
倒産日2020/3/16
倒産種別民事再生
負債総額約50億円
設立1988年6月1日

株式会社シティーヒルについて

同社は1988年6月に設立。レディース向けヤングカジュアルブランドの「MAJESTIC LEGON(マジェスティックレゴン)」「le. coeur blanc(ル・クール・ブラン)」 「Perle Peche(ペルルペッシュ)」「WADMYC!(ワドミック)」などのブランドを展開していました。

商業施設への積極的な店舗展開・ECサイトの活用により2016年2月期には約143億円の売上高を記録し、2019年2月時点では直営107店舗・FC30店舗、ECサイト35店舗(2019年2月時点)を展開していました。

しかし、近年は同業他社との競争激化や商業施設の集客力が弱まった為不採算店舗が増えており、2019年2月期の売上高は約137億までダウン・3期連続当期純損失を計上していました。

2019年秋頃からは金融機関にリスケ要請をしていたようですが、不採算店舗の閉店による再構築・主要ブランドの人気低迷・記録的な暖冬による売上が減収し、2020年1月資金調達に失敗。さらに、コロナウイルスの影響で来店客が減ったことにより資金繰りの限界に達したため民事再生の措置となりました。

株式会社シティーヒルの倒産までのアラーム情報まとめ

上記の画像を見ると、倒産の兆候として、何度かアラームが発生しています。

2018年は店舗の閉店情報が続き、「チェック」のアラームが発生しています。

2019年前半は、提携調査会社情報で抵当権の設定や役員人事の情報など「注意」のアラームが発生しています。ネット上では、「新卒入社した子が健康保険証を付与されていない」といった書き込みがあったため「チェック」のアラームが発生しています。

さらに、同社に対する問い合わせが増加したため、 独自情報として「チェック」のアラームが発生しています。

2019年後半は、ネット上では、「近年、店長クラスの退職率が高い」などの勤務に関する書き込みや閉店情報、ブランド終了のお知らせが公式ホームページに掲載されました。

また、提携調査会社情報で、連続赤字のうわさ、金融機関へのリスケの疑惑として「注意」のアラームが発生しています。

2020年1月に提携調査会社情報で、再生計画提出に送れ・福袋が作れていない等の情報により「要警戒」のアラームが発生しています。

以降は、カスタマーセンターの対応の悪さを指摘するネット上での悪評や、公式サイトでの閉店情報が続き、2020年3月に民事再生となりました。

株式会社シティーヒルの倒産からわかること

インターネットで「株式会社シティーヒル 倒産」「株式会社シティーヒル マジェスティックレゴン」で検索すると様々な情報が出てきます。

今回の倒産では、一部の掲示板や口コミサイトには店員の態度に関するクレームや雇用に関する悪評を含めた書き込みが見られました。従業員の様子や、退職者が目立つ、給与カット等の書き込みは業績悪化や倒産の兆候と取れます。

ネット上には、消費者の評価や労働者の内部情報が存在しているため、与信管理や企業調査をする上で定性情報も合わせてチェックすることが重要であることを改めて認識させられた事例となりました。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、継続的に倒産の前兆となりうる情報を入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。