スマートフォンの製造、販売及び関連事業を手掛ける「FCNT株式会社」「ジャパン・イーエムソリューションズ株式会社(JEMS(株))」「REINOWAホールディングス株式会社」が民事再生法の適用申請を行ったことが明らかになりました。
民事再生までの流れ
FCNT(株)は近年の海外の個人向け携帯電話事業との競争激化により、国内シェアを取ることが難しく慢性的な赤字状態にありました。厳しい経営状況が続く中、さらに半導体不足や円安の影響を受け、資金繰りが急速に悪化し今回の措置となりました。
2023年5月末現在、FCNT㈱は複数の事業会社からスマートフォンサービスのスポンサー支援を受けることを明らかにしています。しかし、携帯電話の製造及び販売事業、修理・アフターサービス事業、ローカル5Gなどのソリューション事業に関しては支援を受けられず、事業を停止する見込みです。
同様にJEMS(株)もエンデバー・ユナイテッドを含む3社からスポンサー支援を受けることを明らかにしていますが、FCNT(株)関連の携帯電話製造・修理事業は支援を受けられておらず、今後生産をはじめとする関係事業を停止する見込みです。
・FCNT株式会社「民事再生手続開始の申立て及びスポンサー支援に係る意向表明受領のお知らせ」
・ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社「民事再生手続開始の申立て及びスポンサー支援に係る意向表明受領のお知らせ 」
FCNT株式会社 企業情報
FCNT株式会社は2016年設立。同社は携帯端末の開発・製造販売から保守及び修理サポート業務をメインに手掛けており、高品質の「arrows」シリーズや高齢者向けスマホ「らくらくスマートフォン」シリーズなどの販売のほか、「らくらくコミュニティ」や「らくらくコンシェルジュ」といったスマホ関連サービスを展開していました。さらにん、「arrow BZ」「エッジAIカメラ」といった法人向けサービスも展開していました。
また、同社は富士通株式会社の携帯電話事業部門が独立して設立したものであり、設立後は同社の株式が富士通から投資ファンド「ポラリス・キャピタル・グループ」の100%持株会社となり、同時に富士通も携帯電話事業から撤退することを明らかにしていました。
ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社 企業情報
JEMS(株)は2018年設立。同社は携帯情報端末の開発・製造、コンピュータ周辺装置の開発・製造および製造受託サービスを手掛けており、PCモニタやディスプレイ、携帯端末の製造などmade in japanにこだわったモノづくりを行っていました。
また、同社はもとは富士通株式会社の生産拠点として携帯電話を製造していましたが、分社化し独立した後はFCNT(株)の「arrows」シリーズや「らくらく」シリーズの製造のほか、「バルミューダフォン」や京セラ(株)の「TORQUE」の製造も手掛けるなどスマートフォンの製造を手掛ける国内最後の工場を保有する会社として、幅広い生産展開をしていました。
REINOWAホールディングス株式会社 企業情報
REINOWAホールディングス株式会社は2018年設立。同社は、FCNT(株)及びJEMS(株)の経営管理や統括を行っており、らくらくシリーズなどの企画、開発、サービスを提供手掛けるプロダクト&サービス事業、モニターなどの製造販売を手掛けるODM/EMS事業、そして5GエッジAIソリューションの提供を手掛けるソリューション事業の三つに分かれており、多角的なグループ会社の統括を行っていました。
この件に関するネット上の評判・与信に関する情報
何が衝撃って、2022年度の国内シェア3位がFCNTさんなんですよね….()
2022年度のメーカー別シェア1位はアップル(総出荷台数1503.8万台、シェア47.1%)で12年連続1位となり、2位シャープ(384.8万台、シェア12.1%)、3位FCNT(316.1万台、シェア9.9%)→https://t.co/IGQIwZ6ePz
— ちえほん📱モバイルドットコム (@chehonz201) 2023年5月30日
FCNTのプレス出たけど、端末の製造販売については事業停止。このままスポンサーが付かなければ富士通も事実上の携帯電話から撤退か。
おい!総務省見てるか! pic.twitter.com/RjVKATPl4z
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年5月30日
ソニー以外”事実上”国産スマホは終焉。
これでAndroidはPixel、ギャラクシー、中華スマホ
しかなくなってしまったが、国産プラットフォームがなくどうしようもない。https://t.co/pAULtO1MEr— 松野博 Hiroshi Matsuno (@stonecold2000) 2023年5月30日
涙が止まらない。BALMUDAのスマホ撤退、京セラの個人向けスマホ撤退に続き、arrowsのFCNTが民事再生手続に入った。事実上の倒産。arrowsだけでなく、らくらくスマホユーザーなど大量の難民発生は避けられない。でもarrowsにはもっとヤバイ話があって…… pic.twitter.com/6R4Z9IaU2A
— やずX@スマホで写真撮りまくるブロガー (@F10Dfjtu) 2023年5月30日