65回目の倒産情報レビューは埼玉県戸田市に本拠を置き総合建設業を営む「株式会社暁建設」です。
目次
株式会社暁建設 企業情報
株式会社暁建設について
株式会社暁建設は2011年創業、2014年設立。同社はマンションや集合住宅、商業施設のコンクリート工事に加え、「AKATSUKIレジデンス」などの投資用RCマンションの建設も手掛けていました。
しかし、投資用マンションで個人投資家との取引を拡大するなど事業を展開する一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響や資材価格・外注費の高騰から業績は悪化。融資による資金調達など経営改善をはかるも、2023年以降は工期の遅延、取引先への支払遅延が発生するなど資金繰りが限界に達し自己破産の申請準備を行いました。
株式会社暁建設の倒産までのアラーム情報まとめ
上記の画像を見ると掲示板・口コミ情報や業績に関する独自情報、問い合わせの急増、提携調査会社からの情報など、倒産の兆候として何度もアラームが発生していました。
2023年以前より弊社独自で取得した情報から融資や資金繰り悪化に関する情報を入手していた中、倒産にいたる半年以上前の2023年7月、弊社への審査や調査の依頼が増加しているとして問い合わせ増加の「チェック」アラームが発生。その後8月には工事の遅れや資金繰りの悪化に関する独自情報を入手し「注意」のアラームが発生しました。
このような状況を鑑み、信用状況が悪化しているという判断から同社の信用レベルを下げる対応を行いました。
信用レベルの修正を行った後、同月の8月には「工期を過ぎても工事を行っている」という口コミを入手し「チェック」のアラームが発生。さらに、弊社の提携調査会社から支払いに関する情報を入手し「注意」のアラームが発生しました。
その後、9月には「工事の約束が守られていない」として近隣住民からのクレームの口コミがあり「チェック」のアラームが発生。11月には役員クラスの人材流出に関する情報を入手し「注意」のアラームが発生。さらに12月には調査依頼の問い合わせが増加している背景から「注意」のアラームと、信用状況の悪化に伴う信用レベルの引き下げがなされました。
2024年に入ると、調査依頼のさらなる増加から問い合わせ増加の「要警戒」アラームが発生。また、弊社の提携調査会社から支払に関する情報が入り「注意」のアラームが発生しました。
2月には、調査依頼増加による問い合わせ増加の「要警戒」アラームが再び発生。また、突然の工事中止と投資家とのトラブルに関する情報を取得し「要警戒」のアラームが発生しました。
その後3月に入ると、調査依頼がさらに急増し、問い合わせ増加の「要警戒」アラームが複数回発生。倒産直前には弊社の提携調査会社から資金繰りに関するネガティブな情報が入り「要警戒」のアラームが発生したのち倒産となりました。
株式会社暁建設の倒産情報から分かること
インターネットで「株式会社暁建設 倒産」「株式会社暁建設 評判」「株式会社暁建設 工事」で検索すると様々な情報が出てきます。
今回の事例では、口コミに関するネガティブな情報、調査会社だからこそ取得することができる支払いや資金繰りに関する情報、これらに加え、弊社への問い合わせ数増加に関する情報が複数回発生していました。自社HPでは工事が進んでいる様子が更新されており、一見、事業がうまくいっているよう見受けられるますが、しっかりと調査を行わなければ倒産に気づくことが出来ない事例と言えるでしょう。
また、「調査依頼の問い合わせ数増加」が倒産に関する兆候として顕著に表れている事例でもありました。周りの取引先からどの程度懸念を持たれ注目されているかをモニタリングしていくことで、倒産に関連する情報を事前に把握しリスクを未然に防ぐことが出来るでしょう。
当社は「アラームボックス」の運営を通じて、インターネット情報、独自情報、当社の提携調査会社からの情報と、多くの情報源から倒産となりうる情報を継続的に入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。
最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
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