【株式会社サンセットコーポレイション】倒産情報レビュー(第47回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

47回目の倒産情報レビューはリサイクルショップ「エンターキング」運営の「株式会社サンセットコーポレイション」です。

株式会社サンセットコーポレーション 概要

会社名 株式会社サンセットコーポレイション
代表者 大川 新吾
所在地 千葉県市川市相之川4丁目15番6号
法人番号 2040001026360
業種 卸売業,小売業 > その他の小売業 > 他に分類されない小売業 > 中古品小売業(骨とう品を除く)
資本金 5,000万円
倒産日  2019年7月1日
倒産種別 民事再生
負債総額 約6億3,000万円

株式会社サンセットコーポレイションについて

株式会社サンセットコーポレイションは、1993年設立。同社は千葉県内や東京都内を中心にゲームやDVD、コミックなど多種多様な商品の買取や販売を行っているリサイクルショップ「エンターキング」を展開。

同社は、自社開発したPOSシステムによって最新の買取価格情報を入手できること、最新の情報を把握できるため他社よりも高い買取価格を実現できることを強みとして多くの年代から人気を博していました。

2009年には、40店舗近く運営しており3月期の売上高では約93億円計上しました。しかし、音楽コンテンツやゲーム、動画のインターネット配信が普及したことにより業界全体が縮小し、さらにはフリマアプリの台頭により、実際に店舗に足を運ぶ人が著しく減少しました。

その結果、2018年3月期には売上高約27億円まで落ち込み、その後の業績も悪化の一途を辿る一方だったため、自力での再建を図ろうと試みましたが断念し、今回の措置に至りました。

それでは倒産に至るまで、実際にどのような情報が流れていたのかを見てみましょう。

株式会社サンセットコーポレイションの倒産までのアラーム情報のまとめ


オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「株式会社サンセットコーポレイション」の事後検証結果(一部省略)

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しています。

最初のアラーム情報として、2012年10月にエンターキングの店舗にて、盗品の疑いがあると認知しながら商品を買い取ったとして店員が書類送検されたというニュースが報じられ、「注意」のアラームが発生しています。

2013年頃から、以下のようなネガティブな口コミがいくつか投稿されるようになり、「注意」のアラームが発生しています。

いきなり希望退職者の募集が始まった…
業績がいい時はボーナスがあったのに最近支給されない…

2014年には、業績不振のため年収が最盛期より20%ほどカットされたといった従業員と思われる書き込みが掲示板サイトにあり、「チェック」のアラームが発生しています。

2016年11月に入ると、社長が交代し現社長が就任したという内容の記事が公開され、「チェック」のアラームが発生しています。

2017年4月から11月にかけて、立て続けに店舗の統合や閉店が繰り返されたため、「チェック」と「注意」のアラームが断続的に発生しています。

2018年9月には、

買取限度額に達しているため買い取りできないと言われた。経営状態が危ないのではないか

といった利用者と思われる口コミが掲示板サイトに投稿されたため、「注意」のアラームが発生しています。

その直後には、同様に「買取を全然してくれない」といった口コミが連続して投稿されました。

同年、社長と社内で顔を合わせることはほとんどなく、外で何をしているのか知っている人はほとんどいないといった社長に関する書き込みが掲示板サイトに書かれ、「要警戒」のアラームが発生しています。

2019年に入ると、立て続けに店舗が閉店するという内容が自社ホームページで発表され、「要警戒」のアラームが発生しています。

そして、同年7月、民事再生の手続きを開始しました。

株式会社サンセットコーポレイションの倒産情報から分かること

インターネットで「株式会社サンセットコーポレイション 倒産」「エンターキング 評判」で検索すると様々な情報が出てきます。

今回は掲示板サイトや口コミサイトに2013年ごろから希望退職者の募集が始まったといった書き込みがされるなど、倒産の前兆となるものがいくつか見受けられました。SNS上でもエンターキングについて検索すると、利用者のリアルな声が投稿されており、現場の実態などを知ることができます。SNSや口コミサイトなどの定性情報をチェックし続けることがいかに重要か改めて認識させられる事例となりました。

当社は「アラームボックス」の運営を通じて、継続的に倒産の前兆となりうる情報を入手しています。アラームボックスが与信管理における経営判断の一助となれば幸いです。

最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。