信用リスクとは何か分かりやすく解説!信用リスクの高低を判断する方法はある?

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

金融商品とは切っても切れないものの一つに「信用リスク」があります。
信用リスクとは、有価証券の発行体である企業や国の財務状況の悪化等により、債務の回収ができなくなることをいいます。資産運用を行う人にとっては、できれば避けたいリスクです。
本記事では、資産運用の運命を左右する「信用リスク」について、わかりやすく解説します。

信用リスクとは

「信用リスク」とは、株式や債権、手形といった有価証券の発行体である企業や国、自治体が経営不振や財政難などに陥り、債務不履行(デフォルト)を起こす可能性のこと。
簡単に言うと、投資元本や利息が支払われないリスクのことです。発行体が同じでも支払い条件などに違いがある場合は、信用リスクの評価も異なることがあります。

信用リスクは「大きい・小さい(高い・低い)」といった使われ方をしますが、それぞれ次のような意味を持ちます。

・信用リスクが大きい(高い)
発行体の信用力が低いことを意味する。利回りは高くなる。(=ハイリスク・ハイリターン)

・信用リクスが小さい(低い)
発行体の信用力が高いことを意味する。利回りは低くなる。(=ローリスク・ローリターン)

利回りと信用リスクの関係

「利回り」とは、投資した金額に対して利息や売却損益といった収益の割合のことをいいます。
先にも少し触れていますが、信用リスクが大きいと利回りは高くなります。これはつまり、投資家がリスクを背負うだけの対価として、高い利回りを求めているということの現れです。そのため、信用リスクが大きいと利回りが高くなるのです。
また、信用リスクの大きい発行体は、信用リスクが小さい発行体よりも、景気などの影響を受けやすい傾向にあります。
景気が悪化すると、信用リスクが大きい発行体からは資金流出が起きるため、信用リスクの小さい発行体に比べて債券価格が下落し、利回りが上昇します。
逆に景気が回復してくると、利回りの高さに注目が集まるので、資金流入が活発化して、価格が上昇しやすくなります。

国債と信用リスクの関係

「国債」とは国が発行する債券のことです。
国に対して一定期間、投資することで定期的に利子を受け取れます。満期になると償還されるため、元本割れすることなく利子を受け取れる、安全性の高い投資といわれています。
このことから国債は信用リスクが小さい(=信用力が高い)ことが分かりますが、信用リスクがゼロというわけではありません。
過去には2001年にアルゼンチンが財政難を理由にデフォルトを宣言しており、2010~2015年にはギリシャもデフォルト寸前にまで追い込まれています。新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が停滞していた時期もあることから、「日本ではデフォルトの可能性がない」とは言いきれないことは念頭においておきましょう。

株式と信用リスクの関係

「株式」とは、株式会社が事業を運営するための資金を出資してくれた人に対して発行する証券です。
株を買って株主になると、「経営に参加する権利」や「配当金を受け取る権利」、「企業が解散した場合に財産を受け取る権利」などを得られます。
株式の信用リスクは、株式を発行する企業が経営破綻したり、不祥事などで株価が暴落したりといったことで高まります。
ちなみに業績が好調だからといって経営破綻する可能性がないかというと、そうでもありません。会社経営は景気に左右される場合も多いので、業績が好調だとしても破綻するリスクは抱えています。

社債と信用リスクの関係

「社債」とは事業会社が発行する債券のことです。
国債と同じように、償還されるまで設定された利率の利子を受け取れます。
株式と混同されがちですが、株式は出資金であり、社債は借入金です。そのため、株式に対する返済義務はありませんが、社債には返済義務があります。
社債においても信用リスクはゼロではありません。業績が好調な企業でも景気の影響を受けて破綻する可能性があるので、社債にも信用リスクは存在します。

信用リスクの高低を判断する方法

信用リスクはさまざまな要因によって高低するため、金融のプロであっても簡単に判断できません。また、発行体である国や企業、自治体が「信用リスクが低い」と公言していたとしても、景気などの外的要因はコントロールできないので、100%信じてしまうのは危険です。
あくまで絶対の方法はないことを念頭に、次のような方法を使って信用リスクの高低を判断しましょう。

・信用格付けを参考にする
・企業のデータを収集・モニタリングする

信用格付けを参考にする

信用格付けとは、民間の格付け会社が発行体の信用力や安全性などを総合的に分析してランク付けしたものです。信用度合いは「AAA」や「Ba2」のようにアルファベットや数字などの記号で評価されます。
信用格付けは一般公開されているので、誰で閲覧可能です。格付け会社によって評価に差が出たり、経済状況に応じて見直しされたりするので、複数社を確認しながら信用リスクを判断するのがおすすめです。

企業のデータを収集・モニタリングする

信用格付けを行う格付け会社の判断も絶対的なものではありません。そのため、信用格付けだけでは不安という人もいるでしょう。
その場合は、自ら企業のデータを収集して、分析していくほかありません。しかし、常にリスク管理が必要で、随時取引先や企業の状況を把握する必要がでてきます。スタートこそ好調をキープしていたものの、途中から業績が傾くことも考えられますが、この兆候をキャッチするのもなかなかに難しいものです。

アラームボックスでは、こうした面倒な情報収集を代行しています。インターネット上の信用情報はもちろん、SNSやブログもチェックしているので、自力では届かない情報まで簡単に手に入ります。
また、取引先のリスクを自動でお知らせするサービスも展開しているため、定期的な情報収集や難しい決算書を読む時間とコストの大幅削減が可能です。

まとめ

有価証券を購入する際は、発行体の信用リスクを気にしておかないと、憂き目にあう可能性が高くなります。
ただし、信用リスクの判断は金融のプロでも簡単には判断できないので、自力での判断は危険です。必ず格付け会社や企業のモニタリングを行いましょう。
特に初心者のうちは、信用できる情報かどうかの判別がつくまで、モニタリングサービスを活用するのがおすすめです。