近年、ファクタリングというサービスが注目を集めています。ファクタリングとは、自社が保有する「売掛金」を現金に変える資金調達の手段です。
この記事では、ファクタリングについて分かりやすく解説していきます。
目次
ファクタリングとは
ファクタリングとは会社から売掛債権を買い取り、売掛債権の管理や回収を行う金融サービスです。このサービスはもともと欧米から始まり、のちに日本でも展開されるようになりました。売掛債権の早期現金化が可能となる今までにない新しい資金調達方法です。
ファクタリングの種類
買取ファクタリング
買取ファクタリングとは、企業が売掛金債権をファクタリングサービス会社に売却し、引き換えに手数料を差し引いた現金を受け取れる一般的なファクタリングです。買取ファクタリングには「2社間」と「3社間」の違いがあります。
2社間のファクタリングサービスでは、買取依頼者とファクタリング会社の間で行われるため、取引先に知られることなく資金調達することができます。しかし、貸し倒れリスクが3社間に比べ、高まるので手数料が高くなっています。
2社間に対し、3社間のファクタリングサービスは売掛先の同意を得て行われます。今後の取引先との取引に影響を与える可能性やファクタリング契約に至るための資料作成などのデメリットがありますが、手数料が割安です。
保証ファクタリング
保証ファクタリングとは、売掛金債権の支払いをファクタリング会社が保証するサービスです。買取ファクタリングの早期現金化とは異なり、会社は売掛金回収の未払いリスクを0にすることができます。また、この保証ファクタリングの利用には売掛先の与信調査が行われるため、取引先の与信管理も同時に行えます。
一括ファクタリング
一括ファクタリングとは3社間ファクタリングの一種で、支払手形の代わりに買取ファクタリングと決済事務を一括して引き受けるサービスです。このサービスは金融機関が中心に提供しており、信用力の高い会社が行うことができます。売掛金債権を持っている会社ではなく、売掛先企業が一括ファクタリングを申し込む必要があります。
国際ファクタリング
国際ファクタリングとは、海外企業との輸出取引で生まれた売り上げを回収するファクタリングサービスです。国際ファクタリングは、利用会社と売掛先、国内と国外2つのファクタリング会社で行われる4社間ファクタリングです。ファクタリング会社によって海外取引先の与信調査を行える半面、為替手数料などの諸経費がかかり費用が高くなってしまいます。
医療ファクタリング
医療機関はレセプト(診療報酬明細書)をもとに社会保険診療報酬支払基金などへ診療報酬の請求を行い、2,3カ月後に診療報酬を受け取ることが一般的です。しかし、医療ファクタリングを利用することで、医療機関が診療報酬債権を早期現金化することできます。売掛先が公的機関となり貸倒リスクが低いため、手数料はほかのサービスと比べ安くなっています。売掛債権の代わりとしてレセプトを取引するファクタリングサービスです。
ファクタリングのメリット
資金調達スピードが早い
ファクタリングサービスを利用することで、債権回収の期限より前に現金化することができます。銀行融資等のサービスに比べ、資金調達のスピードが速く最短で即日入金されるため、資金繰りの改善につながります。
自社の財務状況に左右されない
自社の財務状況が悪化している際、銀行から融資を受けられない可能性が出てきます。しかしファクタリングサービスの場合、必要となるのは売掛先であるため自社の業績に左右されず資金調達が可能となります。
取引先倒産に備えられる
ファクタリング会社に売掛債権を譲渡した後や保証サービスを受けた場合、万が一取引先が倒産しても貸倒になることはありません。売掛金の支払いが遅れている相手に催促を行ったり、取引先企業の与信管理を行う手間が省け、事業に集中しすることができます。
ファクタリングのデメリット
手数料が高い
ファクタリングサービスの利用には、手数料がかかります。2社間は売掛金額の10~30%、3社間は売掛金額の2~20%と銀行融資と比べて高い手数料となる場合もあります。
売掛金の買取は取引先の信用情報に左右される
ファクタリングサービスは売掛先の業績に影響されます。売掛先の業績が悪化している場合、債権の現金化を行えない可能性があります。
悪質な業者との取引の可能性がある
ファクタリングサービス会社は様々あり、中には債権が回収不能の場合、売主が買い戻す償還請求が契約時にされることになっている悪質業者も存在します。
どのような会社でファクタリングを検討すべき?
ファクタリングは現金が早急に必要な会社や審査で融資が通らない会社で検討すべき資金調達法です。また、会社が急成長し、業績が上がった会社などでも利用する価値があります。売掛債権に保証を付けたり、ファクタリングを利用して期日前に現金を確保することで安定して事業を続けることにつながります。しかし、売掛先にファクタリングの同意がないと行えないサービスもあるため、売掛先の同意を得られるかが重要になる場合もあります。
まとめ
今回ファクタリングについてピックアップして解説していきました。ファクタリングサービス会社は様々あり、利用する際にはサービス会社の与信調査を行うことも大切です。即日入金も可能など魅力的な部分もありますが、しっかりとリスクを考慮したうえで活用するか検討する必要があります。取引先や自社の業績に合ったファクタリングサービスを選びましょう。