【株式会社ケフィア事業振興会】倒産情報レビュー(第31回)

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

31回目の倒産情報レビューは、干し柿を始めとした通販事業や太陽光発電事業などを運営していた「株式会社ケフィア事業振興会」です。

株式会社ケフィア事業振興会 概要

会社名株式会社ケフィア事業振興会
代表者鏑木 秀彌
所在地東京都千代田区
法人番号7010001127512
業種食料品や雑貨などの通信販売
資本金4億円
倒産日2018年9月3日
倒産種別破産手続き開始決定
負債総額1053億円

株式会社ケフィア事業振興会につい

現在の株式会社ケフィア事業振興会は2010年に設立。ケフィアヨーグルトのたね菌販売から始まり、健康食品などを販売していた「株式会社ケフィアカルチャー」と「株式会社ケフィア事業振興会」が合併して誕生しました。

「株式会社ケフィア事業振興会」はグループの「かぶちゃん農園株式会社」らとともに「かぶちゃん農園の発酵ぬかどこ」など食料品や雑貨を通信販売する一方、太陽光発電や干し柿などの加工品販売事業のオーナーを募り、高額の配当をうたっていました。

しかし、2018年5月には出資者への配当がストップ。被害者団体なども設立され、資金繰りの目途も立たないことから破産手続き開始決定となりました。

それでは、倒産に至るまで、実際にどのような情報が流れていたのかを見てみましょう。

株式会社ケフィア事業振興会の倒産までのアラーム情報まとめ

ケフィア事業振興会 倒産情報

オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」による「株式会社ケフィア事業振興会」の事後検証結果(一部省略)

上記の画像を見ると、倒産の前兆として、何度かアラームが発生しています。

ケフィア事業振興会について、古くは2010年頃から支払遅延の話が浮上していました。特に情報量が増加してきた直近3年で検証をすると、最初のアラーム発生は2015年5月で、ツイッターでかぶちゃん農園の投資案内に関する注意喚起の書き込みでした。同年10月には、ブログで同社の過去の負債や内紛など先行きを疑問視する記載があり、「注意」のアラームが発生しています。

同年10月と2016年10月には、ケフィア事業振興会の年商400億円達成や、かぶちゃん農園の干し柿貯蔵施設の完成が地域新聞に掲載され、「チェック」のアラームが発生しています。

しかし、2017年になると再び同社の悪評は急増し、毎月のようにSNSや知恵袋サイトで、高利回り投資の事業や商品に関する懸念や大量のダイレクトメールに対するクレームなどが頻繁に書き込まれました。

2018年には、知恵袋サイトに前年から投資家への支払いが遅れていることが書き込まれたため、「要警戒」のアラームが発生しました。

同年5月以降は、ケフィア事業振興会とかぶちゃん農園の支払い遅延や資金繰り不安、音信不通などが大手メディアやSNSで散見され、「要警戒」のアラームが連続して発生しています。さらに7月には被害者の会が設立され、8月には消費者庁からケフィア事業振興会に関する注意喚起の通達が出ました。そして、2018年9月3日に破産手続きに入りました。

株式会社ケフィア事業振興会の倒産情報から分かること

インターネットで「ケフィア事業振興会 倒産」や「かぶちゃん農園 訴訟」で検索すると様々な情報が出てきます。今回の倒産では、何年も前からケフィア事業振興会やその前身の企業に関する、疑惑や注意喚起の書き込みが複数見られ、同様の傾向はシェアハウスの「スマートデイズ」でも見られました。また、安愚楽牧場やジャパンライフなどのオーナー制度による被害事件が思い起こされる一件でした。