反社チェックとは 企業に求められる9つの方法

会社の規模を問わず、反社会的勢力との取引を避けるための「反社チェック」は昨今では欠かせないものとなっています。どうやったらいいかわかりづらい「反社チェック」について説明していきます。

反社とは

反社とは、反社会的勢力のことで、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義づけられています。一般的には暴力団や関係勢力のことです。

企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針

2007年に政府によって発表された「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」によって反社会的勢力と取引をしないよう定められています。

企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針 抜粋

反社会的勢力による被害を防止するための基本的な考え方

  • 反社会的勢力による不当要求は、人の心に不安感や恐怖感を与えるものであり、何らかの行動基準等を設けないままに担当者や担当部署だけで対応した場合、要求に応じざるを得ない状況に陥ることもあり得るため、企業の倫理規程、行動規範、社内規則等に明文の根拠を設け、担当者や担当部署だけに任せずに、代表取締役等の経営トップ以下、組織全体として対応する。
  • 反社会的勢力による不当要求に対応する従業員の安全を確保する。
  • 反社会的勢力による不当要求に備えて、平素から、警察、暴力追放運動推進センター、弁護士等の外部の専門機関(以下「外部専門機関」という。)と緊密な連携関係を構築する。
  • 反社会的勢力とは、取引関係を含めて、一切の関係をもたない。また、反社会的勢力による不当要求は拒絶する。
  • 反社会的勢力による不当要求に対しては、民事と刑事の両面から法的対応を行う。
  • 反社会的勢力による不当要求が、事業活動上の不祥事や従業員の不祥事を理由とする場合であっても、事案を隠ぺいするための裏取引を絶対に行わない。
  • 反社会的勢力への資金提供は、絶対に行わない。

その結果、今後の企業活動が困難になり、企業の存続さえも危なくなってしまう可能性もあります。

平素からの対応

  • 代表取締役等の経営トップは、(1)の内容を基本方針として社内外に宣言し、その宣言を実現するための社内体制の整備、従業員の安全確保、外部専門機関との連携等の一連の取組みを行い、その結果を取締役会等に報告する。
  • 反社会的勢力による不当要求が発生した場合の対応を統括する部署(以下「反社会的勢力対応部署」という。)を整備する。反社会的勢力対応部署は、反社会的勢力に関する情報を一元的に管理・蓄積し、反社会的勢力との関係を遮断するための取組みを支援するとともに、社内体制の整備、研修活動の実施、対応マニュアルの整備、外部専門機関との連携等を行う。
  • 反社会的勢力とは、一切の関係をもたない。そのため、相手方が反社会的勢力であるかどうかについて、常に、通常必要と思われる注意を払うとともに、反社会的勢力とは知らずに何らかの関係を有してしまった場合には、相手方が反社会的勢力 であると判明した時点や反社会的勢力であるとの疑いが生じた時点で、速やかに関係を解消する。
  • 反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項∗を導入するとともに、可能な範囲内で自社株の取引状況を確認する。
  • 取引先の審査や株主の属性判断等を行うことにより、反社会的勢力による被害を防止するため、反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築する。同データベースは、暴力追放運動推進センターや他企業等の情報を活用して逐次更新する。
  • 外部専門機関の連絡先や担当者を確認し、平素から担当者同士で意思疎通を行い、緊密な連携関係を構築する。暴力追放運動推進センター、企業防衛協議会、各種の暴力団排除協議会等が行う地域や職域の暴力団排除活動に参加する。

1.有事の対応(不当要求への対応)

  • 反社会的勢力による不当要求がなされた場合には、当該情報を、速やかに反社会的勢力対応部署へ報告・相談し、さらに、速やかに当該部署から担当取締役等に報告する。
  • 社会的勢力から不当要求がなされた場合には、積極的に、外部専門機関に相談するとともに、その対応に当たっては、暴力追放運動推進センター等が示している不当要求対応要領等に従って対応する。要求が正当なものであるときは、法律に照らして相当な範囲で責任を負う。
  • 反社会的勢力による不当要求がなされた場合には、担当者や担当部署だけに任せずに、不当要求防止責任者を関与させ、代表取締役等の経営トップ以下、組織全体として対応する。その際には、あらゆる民事上の法的対抗手段を講ずるとともに、刑事事件化を躊躇しない。特に、刑事事件化については、被害が生じた場合に、泣き寝入りすることなく、不当要求に屈しない姿勢を反社会的勢力に対して鮮明にし、更なる不当要求による被害を防止する意味からも、積極的に被害届を提出する。
  • 反社会的勢力への資金提供は、反社会的勢力に資金を提供したという弱みにつけこまれた不当要求につながり、被害の更なる拡大を招くとともに、暴力団の犯罪行為等を助長し、暴力団の存続や勢力拡大を下支えするものであるため、絶対に行わない。

2.内部統制システムと反社会的勢力による被害防止との関係

会社法上の大会社や委員会設置会社の取締役会は、健全な会社経営のために会社が営む事業の規模、特性等に応じた法令等の遵守体制・リスク管理体制(いわゆる内部統制システム)の整備を決定する義務を負い、また、ある程度以上の規模の株式会社の取締役は、善管注意義務として、事業の規模、特性等に応じた内部統制システムを構築し、運用する義務があると解されている。反社会的勢力による不当要求には、企業幹部、従業員、関係会社を対象とするものが含まれる。また、不祥事を理由とする場合には、企業の中に、事案を隠ぺいしようとする力が働きかねない。このため、反社会的勢力による被害の防止は、業務の適正を確保するために必要な法令等遵守・リスク管理事項として、内部統制システムに明確に位置付けることが必要である。

反社チェックの必要性

「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」は指針であり拘束力はありません。しかし、「善管注意義務」として民事訴訟の際には参考にされる場合があるとされています。 また、都道府県や金融機関向けのものにも条例や規定があり、反社チェックは企業として無視できるものではありません。 また、危険な取引を避け、自社を守るためにも反社チェックは必要です。

反社会的勢力排除条項がポイント!

反社会的勢力排除条項は二つの種類があり、自社が反社会的勢力ではなく、反社会的勢力との取引や関係を持っていないことなどを表明し確認する条項と、相手が反社会的勢力であることが判明した場合などに契約を解除することが出来る条項です。

反社会的勢力排除条項を設けることによって得られるメリットとして、反社会的勢力との取引において抑止的な効果があります。

反社会的勢力排除条項を明記することによって、自社の企業姿勢を明確にすることができます。また、反社会的勢力との取引を防止するチェック体制や従業員教育なども整えていきましょう。そうすることで、万が一、知らないうちに反社会的勢力との取引が行われてしまったとしても、企業としてできる限りの対応をしていたか否かで、評判や罰則も変わってくる可能性があります。

以下のリンクは大阪府警察が提示している「暴力団排除条項」の記載例です。ぜひご参照ください。
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/material/files/group/2/ippan.pdf

反社チェックの方法

1.暴力団排除条項の締結

取引を開始する前に、契約書に「暴力団排除条項」を設けます。
例:公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター 15ページ

以下の記事に詳しく書いていますので、ぜひ合わせてお読みください。

2.インターネットで検索

Googleなどの検索エンジンで検索します。検索対象は「会社名」「代表者名」「役員名」をそれぞれ行います。 情報が比較的有名であれば、上記のワードを単独で検索しても記事がヒットしますが、なにもなかった場合、and検索も試します。

and検索とは、Google検索窓に二つのワードをスペースを空けて検索するやり方で、両方のワードを含む(関連する)サイトが検索対象になります。

代表者名などとともに検索するワードは反社や逮捕歴、事件歴を連想させるようなワードを入れます。

反社チェック用検索ワードの一例

暴力団 ヤクザ 逮捕 捜査 捜索 送検 起訴 詐欺 横領 違犯 違法 犯罪 検挙 不正 虚偽 倒産 申告漏れ 脱税 行政処分 行政指導 インサイダー ヤミ グレー

3.過去の新聞記事を検索

新聞社のサービスなどで過去記事を検索し、逮捕歴などがないかチェックします。

4.商業登記情報を請求

商業登記情報から不審な点がないかをチェックします。商号、役員、所在地、事業目的の変更に不審な点がないかなどを確認します。また、ここで出てきた役員名についても検索で調べます。

5.不動産登記情報を請求

不動産登記情報を請求して、抵当権者にノンバンクやRCC(整理回収機構)の名前がないか確認します。RCC(整理回収機構)は反社債権の買取などを行っているからです。

6.業界団体への問い合わせ

不動産業界など、団体がデータベースを持っている場合があります。まずは問い合わせてみましょう。

7.本人確認

個人事業主などの場合には、運転免許証やパスポートなどで本人確認を行います。

8.事務所訪問

事務所を訪問することで異変に気付く場合があります。同じビルに入っている会社の顔ぶれにも注意します。

9.その他注意したほうがよい場合

  • サービスや会社の詳細を要求すると断られる
  • 契約を急かされている
  • 紹介者など共通の知人がいない、紹介者が怪しい
  • 話がうますぎる

反社チェックを外部に委託する場合

  • 全国の暴力追放運動推進センター:所定の書類等が必要です。
  • 特防連:情報の請求には入会が必要です。
  • 反社チェックサービス提供事業者:反社チェックをサービスとして提供している会社がありますので必要に応じて問い合わせてみましょう。

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