反社会的勢力との闇営業問題 吉本興業株式会社

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

2019年7月22日、お笑い芸人を多数擁する芸能事務所「吉本興業株式会社(吉本興業ホールディングス子会社)」は、所属しているタレントが反社会的勢力の会合に出席し金銭を受け取っていた問題について都内で会見を開きました。

吉本興業株式会社の会社概要

会社名吉本興業株式会社
代表者岡本昭彦
所在地大阪市中央区難波千日前11番6号
法人番号2120001126730
業種生活関連サービス業,娯楽業 > 娯楽業 > 興行場(別掲を除く),興行団 > 演芸・スポーツ等興行団
親会社吉本興業ホールディングス株式会社

今回の措置に至った経緯

吉本興業株式会社などに所属していたタレント数名が、反社会的勢力の主催していたパーティーに出席し、金銭を受け取っていたことが明らかになった問題。事務所を通さない、いわゆる「闇営業」で反社会的勢力から謝礼を受け取っていたことが2019年6月7日発売の週刊誌に報じられ、話題になっていました。

その後、2019年7月20日に所属タレントが生中継で謝罪会見を開いたことで話題がさらに過熱する事態となりました。

吉本興業株式会社はその後会見を開き、一連の騒動への謝罪と社長および会長の報酬を1年間50%減俸することなどを発表しました。

反社会的勢力と交際することの問題点

企業は2007年に政府によって発表された「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」によって反社会的勢力と「一切の関係をもたない」ことが求められています。

吉本興業株式会社は取引先の反社チェックを行っていたとしています。しかし、事務所を通さずに行っていた闇営業だったために所属タレントの行動を管理することが難しく、また所属タレントの自主的な営業活動を制限していなかったために、結果的に反社会的勢力が入り込む隙を与えてしまったのでしょう。

企業の反社チェックの課題

結果的に反社会的勢力と関係を持ってしまったタレントたちは、事前に反社チェックを行い、反社会的勢力を察知することが出来たのでしょうか。

パーティーに出席して営業していた件で考えると、スケジュールに余裕があれば営業を頼まれた時点で相手の会社や主催者をチェックすることはできるでしょう。都道府県警の暴力団担当の部署に問い合わせて暴力団関係者であるかどうか確認したり、インターネットや新聞の過去記事をチェックできるサービスで法人名や主催者などの名前を調べる方法が一般的です。抑止力として「暴力団排除条項」を契約書として交わすことも有効でしょう。

しかし、暴力団員ではない「暴排条例における密接交際者」や「まだ逮捕歴のない犯罪集団」を補足するのは簡単ではないでしょう。一回限りの副業ですから、上記のようなチェックは何もしていなかったとしてもおかしくありません。

さいごに

今回の問題は営業時間外に行われたものでしたが、会社が知らない間に反社会的勢力と関わってしまう可能性も十分に考えられます。反社チェックは万能ではありませんが、一定の抑止力があります。

もし、あなたの会社が取引先の管理や新規取引先の企業調査を行っていないのであれば、事業を拡大していくうえで手遅れにならないうちに導入することをおすすめします。