売掛保証の正しい使い方とは?

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

与信管理の究極のサービスともいえる「売掛保証」をご存知ですか?売掛保証の基本的な内容から、メリットとデメリット、導入方法や事例までわかりやすく解説します。

売掛保証とは

売掛保証と聞いて、あまり聞き馴染みがない方も多いと思います。ですが、会社を守るためにも知っておいて損はありません!まずは、「売掛保証とは何か」や社会的背景、スタンダードな使い方などをお伝えしていきます。

売掛保証とは?売掛保証サービスとは何か?

売掛保証とは、取引先の倒産などで代金が未回収になった時に、保証会社が代わりに損失金額を支払ってくれるサービスです。具体的には、企業間の掛取引で発生する売掛債権に対して、売掛保証会社を通じて予め保証をかけておくことで、売掛金の回収が確実になる仕組みです。売掛保証はリーマンショック以降の10年ほどで、急速に普及してきたサービスです。一般的に売掛保証は、売掛金保証売掛債権保証保証ファクタリングとも呼ばれています。

みなさまは、個人的に医療保険などに入っていますか?それは何の為に入っていますか?

大方の人は「何かあった時の為に…」と思われて入っているでしょう。売掛保証も同じで「取引先に万が一の事態があった時に、会社が被るダメージ(損害)を軽減するため」にあります。まさに売掛金に倒産保険をかけておき、取引先の倒産に備えるイメージですね。

取引先が倒産することを前提に取引をしたり、売掛保証を利用する企業はいません。むしろ、取引先には倒産なんかして欲しくないはずです。ですが、何が起こるか分からないのが世の中…会社を守るため、また事業拡大の為に有効的な手段として売掛保証は認識されています。

売掛保証が必要とされる社会的背景

みなさんが取引先と取引をするときには、取引先を調査、分析したり、直接会って商談や面談したり、初めのうちは少額での取引に限定したり、場合によっては前金で代金の支払いをしてもらったりと、可能な限りの与信調査や売掛債権の保全を行うでしょう。大企業などは取引先から担保や保証金を取ることで、売掛債権の保全を行っているかもしれません。

しかしながら、近年では与信管理や取引の仕方も変わってきています。

取引先を調査、分析しようにも、そもそも取引先の情報が分からなかったり、最悪の場合、決算書が粉飾されていたり。また、現実的には担保や保証金を出してもらうのも難しいでしょう。取引当初は業績が良かった企業でも、数年もすれば業績が悪くなる企業もあります。

また、ネット社会になってきて、全国の企業が取引先になりえる中、遠方のため取引先と会わずに取引を開始する時代にもなってきています。このような社会的背景もあり、経営リスクから自社を守るために売掛保証を必要とする企業が増えてきています。

もちろん、そんな相手と取引するときは前金での対応をされるかもしれませんが、掛売りを希望する相手と上手く成約できないことはありませんか?言い換えれば、このようなビジネスチャンスを逃さないために、攻めの経営の一手として売掛保証を活用することができます。

売掛保証の事例 初心者向けのスタンダードな使い方

売掛保証のスタンダードな使い方としては、①既存取引先に対する保証、②新規取引先に対する保証とで変わります。

①既存取引先に対しては、以下のような時に売掛保証を利用します。

  • 取引先の業績が悪くなってきた
  • 取引先のあまり良くない噂を聞いた
  • 売掛金額が増えてきた、または増やしていきたい

②新規取引先に対しては、以下のような時に売掛保証を利用します。

  • 調査してみたがよく分からない、または業績などが不透明
  • 人づての紹介などのため、取引を断りにくい
  • 前金で交渉したが、掛売りにしないと商談が決まらなそう

保証金や売掛金・売掛債権保険との違い

ここで少し「保証金(取引先から保証金を預かること)」や「売掛金・売掛債権保険(売掛金や売掛債権にかける保険)」との違いを解説します。

保証金とは

保証金とは、取引先に前もってお金を差し入れて(預け入れて)もらうもので、万が一取引先が倒産や支払いが出来なくなった時に、売掛金などの債権をその保証金から充当させ回収するものです。そのため、正常に取引が終わるなどした際には、差し戻す(返す)必要があります。同じ「保証」でも、保証金は取引先にある程度の資金的余力が必要となり、設定する額によっては保証金が出せない企業もいるでしょう。また、取引先には「信用されてないのか?」と思われてしまうかもしれません。売掛保証の場合、取引先に保証をかけていることを知らせる必要がないため、余計な交渉ごとがなくてすみます。

売掛金・売掛債権保険とは

売掛金や売掛債権にかける保険商品のことを、「取引信用保険」や「倒産保険」といいます。売掛金・売掛債権保険(取引信用保険・倒産保険)は、損害保険会社が扱う保険のひとつで、売掛保証と基本的な効果は同じです。ですが、原則として取引先全社または上位何割かに保険を設定する必要があったり、そうでなくても設定する取引先が任意で選べないことがあります。売掛保証の場合、保証をかけたい取引先を任意で選べることが多いため、自由度が高いと言えるでしょう。

売掛保証のメリットとデメリット

では、売掛保証サービスを導入することのメリットとデメリットを見てみましょう。

売掛保証のメリット

売掛債権の保全

売掛保証の真骨頂!気になる取引先の売掛債権を保全することで、万が一の未回収を防げます。

与信管理コストの削減

取引先の調査コスト、売掛金の債権回収コスト、またそれらに関わる人件費など、これらのコストを削減できます。

取引先との決済条件緩和や取引増額時に

売掛保証を利用することで、前金から掛売りへと変更したり、取引を増額する時に活用できるため、取引先の要望に応えやすくなります。

保証会社の判断を参考に出来る

売掛保証を利用する際には、取引先に対する保証会社の審査があります(取引先には分かりません)。そのため、審査結果が保証引受不可などの場合は、それを参考に取引をするかどうかを判断したり、前金でしか取引をしないなどの対応ができます。

新たな業種との取引にも活用

これまで取引を行ってきた業種や業界なら、自社の与信ノウハウも活かせますが、新たな業種や業界との取引ではそのノウハウが活かせないかもしれません。売掛保証を利用することで、これまでとは違った業種や業界の企業との取引も安心して可能になります。

財務内容やキャッシュフローの安定化

万が一の場合も保証会社が代わりに売掛金を支払ってくれるため、財務内容やキャッシュフローも安定します。また、堅実な経営をしている企業として、取引金融機関からも好印象に思われるかもしれません。

精神的な安心も

「取引先が倒産したらどうしよう・・・」「ちゃんと支払ってくれるだろうか・・・」など、売掛保証を利用すれば、このような不安な考えをせずに、安心して取引を続けられます。

売掛保証のデメリット

審査で希望通りの金額が出ないこともある

保証を設定したい取引先の与信(信用レベル)によっては希望通りの金額が出ないことがあります。売掛保証会社による審査があるので、必ずしも希望通り保証されるとは限りません。

倒産等しないと保証されない

売掛保証を利用していて金額を受け取れるのは、取引先が倒産等(支払い遅延を含むケースもある)した場合です。取引先へ納品した商品やサービスに関するトラブル等の紛争による売掛金の未回収は補償されません。

保証料(費用)が発生する

当然ですが、売掛保証の利用には保証料を支払う必要があり、それらは掛捨ての費用となります。

売掛保証の導入事例

実際に売掛保証サービスを利用している企業の導入事例を見てみましょう。

導入事例1 だんだん業績不振に・・・

年商13億円、卸売業の企業です。長年、掛取引をしてきた取引先が、不景気の煽りを受けて業績不振になってきました。これまで長く取引をしてきた仲なので、いきなり取引を止めるわけにもいかず、悩んでいました。そこで、売掛保証の導入を実施。取引先には保証をかけていることを知らせる必要がないので、これまでと変わらずに安心して取引継続が出来ています。

導入事例2 新規取引先を増やしたい!

年商5億円、通信機器販売の企業です。新たな商材を全国のあらゆる業種の会社に提供していこうと考え、新規取引先を増やそうとしていました。ですが、中には設立が浅く規模の小さい会社も多く存在し、売掛金の回収ができなくなる不安からなかなか掛取引による金額の大きい取引が出来ないでいました。そこで、売掛保証会社に相談し、新規取引先は保証を設定して全て掛取引にすることに決めました。営業員も安心して商談に望め、業績も右肩上がりになっています。

売掛保証を開始するにあたって

これから売掛保証の利用を開始するにあたって、確認することや注意事項です。導入してから無駄にならないように確認しておきましょう。

売掛保証の導入時に確認すること

・保証して欲しい取引先を決める

どの取引先に保証をかけるのか、予め基準などを決めて、選定しておくと良いでしょう。例えば「売掛債権の残高が平均して300万円以上ある取引先で、風評や調査会社の評点も芳しくない」など。もし、どの取引先にしたらいいのか、基準などは何にしたらいいのか分からないときは、売掛保証会社と相談しながら決めてみるのも良いかもしれません。

・売掛債権のうち、いくらまで保証してもらうか決める

設定して欲しい取引先が決まったら、どれくらいの金額に保証をかけるか、希望する設定額を決めておくと良いでしょう。平均的な売掛債権残高やピーク時の売掛債権残高など、様々なケースで考えられますので、予め売掛債権残高を把握しておくと良いでしょう。手形などの取引がある場合は、その手形が落ちる期日までの債権残高も把握する必要があります。

・取引先の支払い状況

すでに売掛債権が未回収の状態の取引先は保証の対象外になります。また、直近で支払い遅延が発生している場合も、保証引受が難しい可能性がありますので、事前にそういったことが無かったか、確認しておきましょう。もちろん、支払い遅延が発生していたにも関わらず、遅延がなかったなどの虚偽の申告はやめましょう。後々、判明してしまいますし、何より保証料を払ったのに、保証履行金(補償)が支払われないという事態になります。

・売掛保証導入の予算

売掛保証サービスを利用するのに、どれくらいの予算が使えるか検討しておきましょう。1年間に使っている調査費用・債権管理費用・回収費用、またはそれらに相当する人件費や、未回収が発生している金額など、それらと保証導入の費用とを比較してみると良いかもしれません。

例えば、調査費用に年間30万円、未回収が年間100万円発生し、それらの業務に1人の社員を週1日費やしたと考えた場合の人件費が年間48万円(1日1万円×月4日×12ヶ月とした場合)、合計で年間178万円の費用が発生している計算です。保証導入費用がこれらの管理費用より下回るなら、ぜひ導入すべきでしょう。

まだ社内管理体制が整っていなくて実績も少ない会社の場合は、とりあえず売掛保証を少ない費用で導入してみて、効果を検証しながら継続を判断していくのも良いでしょう。

売掛保証の注意事項

現実に起こりうる少し突っ込んだ話もしておきます。

売掛債権の残高推移をチェック

売掛保証を利用しているからといって、際限なく取引をしてもいいとは限りません。売掛保証では、保証をかけた取引先ごとに保証される限度額が決まっています。実際に倒産などした場合は、この保証限度額までしか保証されません。例えば、保証限度額が1,000万円なのに対して、売掛債権残高が1,800万円もあった場合、倒産時に受け取れる保証履行(補償)金額は1,000万円で、残りの800万円は自社のリスク(損失)になります。売掛保証を利用していても売掛債権残高の変動には十分に注意しておきましょう。

取引先の支払い遅延を放置しないように

売掛保証が設定されていても、取引先からの支払い状況はチェックしておき、いざ支払が遅延した時には、きちんと催促しなければなりません。万が一倒産などになった時に、その催促を怠っている場合、それが原因で売掛保証会社から保証履行金(補償)が支払われないこともあり得ます。自社で出来ることは可能な限りおこない、売掛保証会社への連絡もマメにするように心がけましょう。

独占契約や契約期間の縛りは熟慮のうえで

売掛保証の契約内容は、自社の課題や予算に合わせて異なります。売掛保証会社から、1社で独占的に保証契約をしてもらえた場合に割引等の条件が示されることもあります。勿論、複数の売掛保証会社を併用するよりも、メリットがあるようにみえます。しかし、リスク管理の基本は分散にあることを忘れてはいけません。売掛保証会社を1社に絞ってしまうことによって、交渉力や情報源が失われるなどのデメリットも発生します。自社にとって本当に素晴らしい提案なのかどうか、熟慮したうえで判断しましょう。

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