取引先の良くない噂は、倒産前兆の可能性もあり無視できるものではありません。最近ではSNSの普及により、簡単に取引先の評判や口コミなどを確認できるようになりました。取引先を訪問した際に普段とは異なった行動や雰囲気を感じたり、直接噂を耳にする機会もあるでしょう。
今回は取引先の悪い噂を知った際に、自社でどのように対処すればよいか解説していきます。
目次
噂の真偽を確かめる方法
取引先を訪問する
企業は業績が悪化すると資金面が不安定になり、取引先とのトラブルが増えたり、社員の士気が低下します。会社を訪問した際に、事務所の雰囲気や社長の言動などから危険な兆候を感じることも大切です。
財務状況のほか、職場の整理整頓や設備の老朽化など事務所の細かい様子に倒産の前兆が表れることがあります。実際に取引先を訪問し、細かい変化に気を配りながら噂の真偽を判断しましょう。
業界関係者に聞いてみる
事務所の雰囲気だけでは感じ取れなかったり、取引先と信頼関係を築けている場合、業界内の他の取引先に直接聞いてみることも一つの手でしょう。業界内で、その噂がどれほどの信ぴょう性を持って広まっているのか確認してみることで、今後の取引の判断に活用することができます。
しかし、同業者や他の取引先に噂について聞く際には、聞き方に注意しましょう。「業界内で取引遅延はないか」など最近の取引内容や、噂のある取引先の経営者の様子を尋ね、噂の真偽を直接聞くのではなく、さりげなく聞き自らが取引先に対し信用不安を与えないよう、配慮することが必要です。
取引先の信用調査を行う
取引先の事務所へ訪問するのが難しい場合や取引先に聞きにくい場合は信用調査を行いましょう。
やり方として自社で調べる方法と、専門の調査会社を利用する方法があります。専門の調査会社は全国の支店で集めた情報や独自のデータベースを保有しています。そのため、自社だけでは調べられない情報や評判を入手することができます。また、公正な視点で客観的に判断してもらえる点に加え、自社で調査する時間を省ける利点があります。取引先について入念に調べたい場合、調査会社に依頼して行うのがオススメです。
取引先の状態がわかったら
調べた情報を元に、取引の継続の可否や、取引額の見直しを行いましょう。
取引を継続する
取引を継続する場合、今後も危険な兆候が表れる可能性があるため取引条件や契約内容を自社に有利になるように動きましょう。また、他に担保を取得することができるか、手形支払いをやめて現金取引にするなど様々な形で取引先と検討しましょう。
別の方法として、売掛金に保証や保険をかけるサービスを利用することも有効です。もし取引先が倒産しても、あらかじめ債権に保証を付けておくことで損失を防ぎリスク回避を行うことが可能です。「取引は続けたいが、不安が拭えない」という方に効果的な方法です。
取引を中止する
取引を中止する際、契約内容によっては一方的に取引を中止できな場合があります。まずは、契約内容や債権取り立ての手段を確保しているか自社で確認しましょう。そして、取引先の経営状況も考慮して交渉に臨みましょう。
売掛金回収はスピード勝負です。取引先の支払いがストップする前に素早く行動に移すことで被害を最小限に抑えることができます。
まとめ
今回は、悪い噂を耳にしたら自社でどのような対処法を行うことができるかについて解説していきました。噂の真偽を確かめる方法は様々ありますが、定期的に取引先調査を行うことで噂に左右されることなく事業を行うことができます。安定的な取引のためには取引先の継続的調査は必要不可欠です。倒産の前兆を感じてからではなく、普段から取引先の与信管理を行うことが大切です。