信用調査とは?費用無料で企業の与信を調べる簡単な方法

信用調査とは

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

信用調査はかなりのお金がかかる、自分でするにはむずかしい、そう思ってあきらめていませんか?
無料で企業の信用調査をかんたんにできる方法について、信用調査の基本と実践、注意事項もふまえてわかりやすく解説します。

信用調査とは

信用調査とは?

信用調査とは、商取引において相手が代金の支払いをできるかどうかを調べることです。簡単に言えば、信用できる相手かどうかを見極めることです。信用調査は与信調査ともいわれています。

信用調査の結果、取引相手が信用できるようであれば、いくらまで取引するかを決めます。この取引金額の上限を「与信限度額」「与信枠」といいます。

信用調査の手順

信用調査は以下の手順で進めます。

  1. 本格的な与信調査をする前に、忘れてはならないこととして、自社内で過去の取引データなどがないかを、最初に確認しましょう。
  2. 信用調査では、まずインターネットなど無料のツールを利用して取引相手の基本的な会社情報を収集します。必要に応じて有料の情報を購入することもあります。
  3. さらなる与信調査として、直接現場で詳しくヒアリングをしたり、同業者から情報収集することによって、正確な与信判断ができるように材料を増やしていきます。

費用無料で企業の信用に関する情報を収集しよう

ここから本題の無料で信用調査をする方法について説明します。

インターネットをフル活用

一番簡単な会社の調べ方は、みなさんも経験があるインターネット検索です。ただし、信用調査が目的であるため、検索ワードの選定や注目すべきポイントをしっかりと押さえなければなりません。

 

まずは信用調査の対象企業のホームページをチェック

会社のホームページには、資本金、所在地、代表者、事業内容、沿革、主要取引先や銀行、店舗拠点数、業績推移、従業員数など、多くの基本情報が入手できるのでチェックしましょう。更新頻度や過去のニュースなども押さえておきましょう。

信用調査の視点では、ホームページの更新がしばらく止まっていたり、頻繁な役員の交代、従業員数の乖離、主要取引先が経営不振企業でないかなどをチェックします。また、検索する企業が多い場合やより詳しく該当企業について調べたい際には、企業情報検索サイトを利用することで、効率よく企業情報を入手することが出来ます。

Alarmbox企業情報検索サイト

 

企業名だけでなく「電話番号」「代表者」などを検索

ヤフーやグーグルで企業名で検索すると、関連するニュースやブログ記事、求人情報などが出てきます。自社ホームページがない場合でも、業界団体のサイトやポータルサイトなどで実態が確認できることもあります。

ここまでで基本的な会社情報の収集が終わったら、次に企業名以外の電話番号や代表者名で検索をすると、信用調査に関わる新たな情報が入手できるときがあります。

例えば電話番号で検索をかけると、企業によっては口コミサイト等に「しつこく迷惑電話がかかってきた」「商品が届いてないのに取り立てのように請求をされた」等の情報が出てくることもあります。また、口コミサイトなどで炎上して、会社が倒産の危機に陥ることもあるので注意が必要です。

 

「評判」「支払遅延」「逮捕」などを組み合わせて検索

例えば代表者名にこれらのワードを組み合わせて検索をかけると、SNSで過去の経歴が確認でき、犯罪歴や反社会的勢力との繋がりがある等、あまり知りたくなかった様な情報も取得できることがあります。信用調査は簡易な反社チェックの効果もあるので、しっかりとおこないましょう。

もちろん中にはガセネタやフェイクニュースのようなあてにならない情報もあるかとは思いますが、取引先企業のよくない情報を取得した場合は、裏付けをとるように心がけましょう。

 

営業マンをフル活用

無料で追加費用かけずに信用調査をする際に、営業マンは貴重な情報源になります。

 

取引先企業から直接情報を入手

直接取引先企業を訪問すると、机上での調査とは違う情報が得られることがあります。商談目的などで訪問した際に、信用調査の視点で取引先を見てみると、従業員の対応や仕事に対しての姿勢、オフィスや工場の環境、商品在庫の状況などを、直接目で見て確認することが出来ます。

また、取引先との会話から信用調査に関わる情報を入手できることもあります。特に財務担当役員や営業責任者などの幹部社員の退職、給与や賞与の支払、社長の仕事振り、経費の使い方の変化、金融機関との関係、業績など、気になる情報は営業マンからしっかり報告をしてもらいましょう。

 

同業者から間接的に情報を入手

信用調査では、業界内での評判を収集することも大切です。商取引をしている多くの企業は情報収集に積極的です。そのため、直接取引先から得られなかったような情報が入手できることもあります。ただし、競争相手を悪くいう会社もいるので、話半分程度で捉える方が賢明なこともありうるので留意しましょう。

なお、直接取引先および同業者からの情報は信用調査の情報源として貴重ですが、詳しく聞きすぎて不審に思われないように、注意しましょう。

低コストで公的機関から情報を入手しよう

これまで説明してきた無料で信用調査をする方法は有効ですが、少しだけ費用を使うことで公的機関から得られる情報もあるので紹介します。

商業登記簿謄本と不動産謄本、動産や債権の譲渡登記

信用調査をするうえで、これらの情報は欠かせません。商業登記簿謄本では、会社の資本金や役員、所在地などの変遷がわかります。不動産謄本では、不動産の名義やどこの金融機関が担保設定しているか、借り入れ状況がわかります。動産や債権の譲渡登記は確認する機会は少ないですが、もし金融機関や他の取引先に譲渡登記をされていたら、詳しく調べる必要があります。

参考までに、商業登記簿謄本の見方を以下の記事で解説しています。

官報の公告

官報とは、法令など政府情報の公的な伝達手段ですが、インターネットで誰でも無料で閲覧することができます。ただし、一定期間が経過した情報を入手する場合は有料になります。

官報の中でも、裁判所の公告として破産・再生・会社更生関係や、会社の公告として合併公告・決算公告などがあります。信用調査に有効な情報として、取引先の決算情報や資本金の減資などはチェックしておきましょう。

調べるよりも取引をしてみることも大切

信用調査によって、取引先企業の信用をきちんと把握したうえで、掛取引を開始するのが基本です。しかし、信用調査やその判断で難しいことは、どんなに調べてもやってみなければ分からない、将来取引相手の状況は変わる可能性もあるという現実です。

信用調査の目的は、相手が代金の支払いをできるかどうかを調べることですから、少額でも取引(支払)実績の積み重ねがあれば、大きな信用につながります。信用調査に膨大な費用や時間をかけるよりも、一定金額以下であれば取引をしてみることが、信用できる相手か把握するのに近道なこともあります。

信用調査でこれだけは注意しよう

信用調査をするにあたって、いくら情報量が多くあったとしても、それが古い情報であったり、正確な情報でなければ、あまり効果がありません。インターネットが主流の現代において、情報は日に日に増え、変化をしていくものなので、常に新しい情報を取得し、取引先企業の評価を改めていかなければ、本来の信用調査の意味をなさないと言っても過言ではありません。

信用調査は取引を始めるときだけ実施して終わりではなく、継続的に調査(モニタリング)していくものです。実際に、モニタリングを怠ったまま掛取引の金額が増加し、取引相手が倒産して、大きな損失を被るケースもありますので注意しましょう。