企業取引を行う上で不可欠な信用調査。その正しいやり方をご存知でしょうか。
なぜ取引開始前に他社の信用調査を行う必要があるのか?そのメリットは?といった初歩的なところから紹介します。
目次
新規取引時の信用調査について
企業間取引(BtoB:Business To Business)を行う場合は、小売など消費者に対して取引をする場合(BtoC:Business To Customer)と異なり、その取引額が大きくなります。
例えば素材を加工して販売する製造業であれば、素材の購入先である「仕入先」と加工した製品を販売する相手の「取引先」があります(呼称は商慣習によって異なります)。
取引先と諸々の契約をして事業を開始すると思いますが、その取引先が不安定な企業だったらどうなるでしょう。素材の仕入のコストと製品を製造したコストだけがかかり、大きな損失となってしまいます。
取引を控えたほうが良い企業は2つ
痛い目に遭わないためには、どんな企業と取引しないようにしたらいいでしょうか。
一つには、経営がうまくいっていない企業です。企業は破産(倒産)をすれば負債が精算できます。売掛金や、納品済みの製品が戻って来ない可能性は高いです。
もう一つは、悪意があって近づいてくる企業です。大口の新規取引が出来たと喜んでいると、製品の代金を支払わずに連絡が取れなくなったりします。つまり詐欺です。特徴として、法人登記されていなかったり、住所がシェアオフィスだったりすることが多くあります。
信用調査の重要性
信用調査をすることで、危険な取引を避けることができます。
やり方としては、自分で調べる方法と、専門の調査会社を利用する方法があります。専門の調査会社は全国の支店で集めた情報や、独自のデータベースを保有しています。
信用調査とはなにか?企業の安定した取引を守る「水際の対策」
信用調査の目的は、他社との取引が損失にならないように取引予定の企業を下調べすることです。
取引の様態や規模、取引先数は会社によって違うので、一様に「こういった会社はNG」ということは難しいものです。絶対的に安心できる企業としか取引しない方針の企業もあるでしょうし、多少評判が悪くてもリスクを取って取引をすることもあるでしょう。
全ての取引を断れば商売が立ち行きません。大事なのは「自社の基準」を作り、部署を超えて同意を得ることです。
信用調査のメリット3つ
信用調査を行うことで得られるメリットはなんでしょうか。それは3つあります。
- 取引先を知ることで売掛金の未回収リスクを抑える
- 取引先を知ることで売掛金の上限を設定できる(与信限度額)
- 危険な相手との取引を未然に防ぐ
取引先の信用調査を行うと、取引先が倒産した際の損失(売掛金の未回収)を防いだり、直前で取引を控えるなど先手を打った行動ができます。
また、取引先に懸念が残る場合は売掛金の上限を設けることによってリスクを抑えることができます。取引が多い会社なら、信用ランクと上限額(与信限度額)のルールを予め設けておくと取引開始がスムーズです。
また、取引先が悪意のある企業だった場合、取引を未然に防ぐことができます。信用調査会社などにはリスクのある会社の情報共有が行われています。
信用調査を行うには?自分でやるか、専門業者に依頼するか
自分で信用調査を行う場合
自分で信用調査行う場合、セオリーに沿って行うことである程度の効果が見込めます。通常、下記のような調査を通じて対象企業を調べることとなります。
下記のページで自社で行う調査についてまとめていますので参考にしてください。
調査会社に依頼する場合
調査会社に依頼することで、自社だけでは調べられない情報や評判を入手することができます。特に決算書での判断ができない場合や、入念に調べる必要があるときには積極的に活用しましょう。