中小企業の粉飾に注意!

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

中小企業の粉飾による倒産が相次いでいます。信用調査会社の東京商工リサーチによりますと、2019年1~10月期の粉飾決算を起因とする倒産が16件と前年の2倍に増えました。経営不振で粉飾を始めたものの、実際の売上は立っていないのですから、借入が止まれば倒産してしまいます。

粉飾決算はどんな企業にでもあり得る

上場企業の粉飾は大きなニュースになります。2019年7月、東証一部上場のユー・エム・シー・エレクトロニクス子会社が粉飾していたことが話題になりましたが、上場前から粉飾をしていたことが明らかになっています。映像コンテンツを制作しているディー・エル・イーも東証一部へ上場していますが、マザーズから市場変更する前から粉飾を行っており、上場契約に違反したとして違約金の支払いを求められました。

中小企業の粉飾

上場企業は常に決算を公開していますから、業績が悪くなれば株価が下がります。株主からも責任を追及されるでしょう。一方、中小企業はなぜ粉飾を行うのでしょうか?

中小企業は銀行から資金を借り入れるために粉飾を行います。銀行は業績の悪い会社や将来性のない会社には融資しませんから、これを欺くために粉飾した決算書を提出します。また、建設業などは決算が赤字だと、公共工事の入札ランクに影響する経営事項審査でマイナスになってしまうので、粉飾を行うケースがあります。

粉飾は見破れるか

中小企業と取引をしたい企業や、融資をしたい金融関係者は決算書を受け取った決算書の真偽を見破れるのでしょうか?

下記の記事で粉飾を見分けるポイントを紹介していますが、東証や銀行が見破れないレベルの粉飾であればまず難しいでしょう。世間には粉飾アレンジャーと呼ばれる者たちがおり、発見されない粉飾決算の作り方をアドバイスしています。

常に取引先の評判をチェックする

中小企業と取引する際、その評判をチェックすることは重要です。決算内容をごまかすことはできても、人間性を偽りつづけることはできません。粉飾していても売上はありませんから、従業員の給与を払わなかったり、労働環境が不適切な状態になります。下請けに代金を支払わない、代表者の不動産が担保に入る、店舗や通販事業で悪評が立つこともあります。こういった情報はインターネット上でも発見することができるので定期的にチェックすることは有効です。