2019年4月度の倒産情報のまとめです。個別の倒産事例を対象にした「倒産情報レビュー」もぜひご覧ください。
目次
ワイ・ケイ・ジャパン(ゴルフ場運営・東京)
1986年に設立された「株式会社ワイ・ケイ・ジャパン」は、1991年に群馬県に開場されたゴルフ場「21センチュリークラブ富岡ゴルフコース」の運営をご手掛けており、美しく整備されたコースと景観が人気を博し、最盛期には年間10憶円以上の売り上げを記録していました。しかし、近年は客足が遠のいたことに加え、会員権の預託金償還問題も抱えていたため資金繰りが行き詰り、2019年4月には自力での再建を断念し、民事再生法の適用を申請したことを明らかにしました。今後はスポンサー企業のもと、ゴルフ場の運営は継続される見込みです。
株式会社OFFICE K(脱毛サロン運営・東京)
2015年に設立された「株式会社OFFICE K」は美容脱毛サロンである「超高速脱毛サロンPIKARI」の運営を手掛けていました。関東を中心に店舗を展開し、高価な超高速脱毛機を使用したサービスを特徴としていました。しかし、積極的な出店を重ねた結果、出店や設備への投資に採算が追い付かず資金繰りが困難になり、今回破産手続きの開始決定を受けたことを明らかにしました。
株式会社森國酒造(酒造・香川)
2005年に設立された「株式会社森國酒造」は、瀬戸内海の小豆島唯一の酒造であり「ふわふわ。」「うとうと。」などの銘柄で日本酒の製造・販売にを展開する傍ら、酒造に併設するベーカリーやカフェバーなどの運営も行っておりました。しかし、清酒離れが進み売上が減少したことに加え、設備への投資などに採算が追い付かなくなってしまい、資金繰りが困難になり破産手続きの開始を受けたことを明らかにしました。店舗は第三者の支援を受けて今後も継続していくとのことです。
医療法人社団おきの会(医療・東京)
1977年に脳神経外科を専門とする「旗の台病院」を開院、1999年に医療法人社団へ改組し、都内でも有名な病院として知られていました。2003年4月期には約9憶円近い収入高を計上していましたが、近年は脳神経外科の患者が減少したことによって収入が激減しました。また医療機器などの設備投資への資金繰りが厳しくなったため、2年連続で赤字決算が続き債務超過に陥っていました。2019年5月に自力での再建を断念し、今回民事再生法の適用を申請したことを明らかにしました。なお、今後についてはすでにスポンサーが決定しているとのことです。
「株式会社琉球451交易」(商業施設運営・沖縄)
2018年に設立された「株式会社琉球451交易」は那覇・国際通り沿いにある商業施設「琉球王国市場」の管理・運営や物流コンサルティングを行っていました。当初は約50店舗のテナント入居を予定していたが、テナント入居数が計画より大幅に下回ったことに加え、集客にも苦戦し売り上げが低迷していました。そのことから、株式会社琉球451交易は家賃の大半が未納状態となり、会社継続は困難であると判断し、今回破産手続を開始したことを明らかにしました。
株式会社パシフィック・コースト・インダストリー(太陽光発電システム販売・神奈川)
1990年に設立した「株式会社パシフィック・コースト・インダストリー」は関東を中心に太陽光発電システムの販売・施工事業を行っており、今までに1万件以上の工事実績を有していました。しかし、最近では太陽光発電の業況の変化から2018年6月期以降の年売上高は2期連続で減収となり売り上げが低迷していました。それに加え2018年夏の西日本豪雨の影響で、大型案件の工期が大幅に遅延し、資金回収が遅れてしまいました。そのため立替費用がどんどん膨らんでしまい、自力での再建は難しいと判断し今回破産手続きを開始したことを明らかにしました。
土高興業株式会社(パチンコ・高知)
1949年に設立した「土高興業株式会社」は高知県内を中心にパチンコ店を経営していました。最盛期には東京や神奈川でも店舗を拡大し、ビジネスホテルの運営なども手掛け、500憶円を超える収入高を計上していました。しかし景気の低迷や規制強化で客足が減少し、近年は収入高200憶円にとどまっていました。それに加え設備投資に伴う借入金の資金繰りが逼迫したため、清算手続を開始したことを明らかにしました。なお、店舗については会社分割方式で事業譲渡を受けた企業により運営を継続中です。
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