既存取引先の与信管理方法。継続調査やモニタリングについて解説

画像はイメージです。実際とは異なる場合があります。

近年、既存取引先の与信管理として、日々の信用状況の変化を調べる「モニタリング」の重要性が増しています。知らないうちに倒産や支払遅延に直結する事態に陥っていないか、売掛金が期日までに入金されているかなど、既存取引先の管理方法について解説していきます。

既存取引先管理の必要性

既存取引先管理の必要性

取引開始前の与信調査、定性・定量分析は非常に重要ですが、信用に足る相手と判断し、無事に取引を開始したからと言って安心していいわけではありません。経済や社会情勢の変化、販売先や仕入先との関係などによって企業の状態は常に変化しています。

数か月前は信用に足る取引先であっても売掛金の支払期日前には企業状態が悪化しており売掛金が未回収になってしまうケースは見受けられます。確実に入金されるまでは安心するのではなく取引先を継続的にモニタリングし信用不安に陥る情報や未回収にかかわる情報がないか常にチェックしていく必要があります。

既存取引先の管理方法


ここでは既存取引先を継続的に管理するための具体的な方法について記載します。

既存取引先の債権・入金管理 

売掛金が期日通りに入金されているか管理します。具体的には、金額や支払期日を記入するための売掛金元帳を作ります。売掛金の発生日・支払期日・実際の回収日・繰越額・入金方法などを記入します。最近はクラウド会計ソフトなどで、支払期日と入金処理が連携し、未入金先を簡単に出力できるようになってきています。

また、支払期日に合わせて請求書を発行します。請求書を発行しなかったから支払いを忘れた、などと言われることがないように注意しましょう。

支払いが遅れた場合には担当者へ連携し、すぐに状況確認をします。督促はすぐに行うことが重要です。それでも連絡が来なかったり、支払の延長を要請される時には異常事態として管理・共有しましょう。また、入金されていても遅れがちな場合には注意する必要があるでしょう。

既存取引先の定期的な見直しとモニタリング調査 

既存取引先の継続的な与信管理を行っていないと、状況が変わった取引先の危険な取引に巻き込まれ、結果的に回収できない売掛金が発生することになりかねないので注意しましょう。具体的な調査方法には以下が挙げられます。

  • 定量情報:決算期ごとに定量情報入手しなおし定期的な見直しを行う。
  • 定性情報:インターネット情報や従業員の退職情報など、定性情報を常にモニタリングし悪いうわさがないかを把握する。

既存取引先のモニタリング調査では、鮮度の高いタイムリーな情報収集が求められます。どうしても過去の情報になってしまう定量情報のみではなく、定性情報を中心にモニタリング調査を行っていくほうがいいでしょう。

また、取引が増加傾向にある場合にも「売上があがればいいだろう」と安直に対応せずに調査を継続しましょう。場合によっては、「同業他社が撤退していたから取引が増えていたケース」などもあるので注意が必要です。

既存取引先の与信限度額の管理・変更

与信限度額を設定している場合には、与信限度額を超えていないか管理しなければなりません。何も管理せず放置しておけば限度額を超えて取引が行われる可能性があります。

モニタリング調査の結果、信用リスクに変動があった場合には、与信管理基準に基づき与信限度額を変更しましょう。また、支払遅れが発生した場合にも、与信限度額を停止するかどうかの判断が必要になります。

問題先・事故倒産先の管理

支払の遅延が発生したり何か問題が起きたら、すぐに共有できる体制を整えておきます。また、既存取引先を調査する中で不安情報や倒産可能性に関する情報を入手した場合は、必要に応じて、担保交渉をするなど対策を取ります。

取引先が既に倒産してしまった場合は、債権の回収は困難です。そうならないためにも入金管理とモニタリング調査をきちんと行いつつ、問題が発生した際のシミュレーションを立てておきましょう。

まとめ

今回は既存取引先の管理方法について解説してきました。取引開始時には調子がよさそうに見えた会社も数年たてば業況は変わるものです。浮き沈みがない会社はありません。取引先の変化を察知する仕組みや、取引の可否や取引額を柔軟に変化させる仕組みを作りましょう。

また、これらの与信管理業務についてお困りの際はぜひ、アラームボックスをご活用ください。アラームボックスなら取引の始まりから継続した管理、売掛金の回収まで与信管理に関わる全ての業務を誰でも簡単に安心して行うことができるようなサービスを提供しています。

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次回は「債権回収」について解説します。

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