ストップ!取り込み詐欺(前編)

取り込み詐欺対策

こんにちは。アラームボックスの取締役審査部長の高見です。このシリーズ「ストップ!取り込み詐欺」では、取り込み詐欺の被害にあわないための企業調査のポイントをお伝えしていきます。

取り込み詐欺について

まずは取り込み詐欺に関して簡単に説明をします。

取り込み詐欺とは

取り込み詐欺とは、商品を後払いで購入して、先に商品を送付させ、商品を受け取ったあとに、商品の代金を支払わずに盗み取る詐欺行為です。

怪しまれないようにするため、商品を後払いで購入する際に、最初の1・2度は信用をつけさせる目的で、少額を前払いで購入するケースも多くみられますが、結局は支払期日付近には夜逃げしたり、法的整理を行う計画倒産のような、「取り込み詐欺」も増加しています。

また、マスコミにも大きく取り上げられた、架空のグルメイベント開催をうたい、飲食店から出展料を集めて倒産した「グルメンピック」のようなケースも取り込み詐欺の手口の一種といえます。取り込み詐欺は一度商品を卸したら最後、決して代金を回収することはできません。

取り込み詐欺対策が必要な背景

近年、企業間取引や商取引などのBtoB取引も、インターネットの普及や物流網の整備などに合わせ、全国、さらに海外へと広がっています。以前は顔の見える範囲で、お互いの代表者をよく知っている関係での取引が多かった企業でも、売上拡大に合わせて新規取引先が増加し、様々な地域の企業と取引を行う機会が増加していることでしょう。このような商取引の変化も、業種を問わず改めて取り込み詐欺を警戒しないといけない理由のひとつです。

取り込み詐欺の手口と事例

取り込み詐欺手口

取り込み詐欺の手口は、まずは設立が古くて休眠状態になっている会社を買い取り、事務所なども開設して数名のメンバーを揃えます。名刺やホームページなどもあり、あたかも通常通り運営をしているように見せかけ、何回か少額の取引を繰り返します。

このように取引実績を重ねて信用を獲得した段階で、掛取引(後払い)で大口の取引を持ちかけ、商品を手に入れます。その後、支払い期日までに連絡がとれなくなります。結局、居場所がつかめないまま未回収に終わるか、破産や倒産になって、やはり回収できなくなります。このような手口が代表的な取り込み詐欺です。

取り込み詐欺事例

取り込み詐欺の事例で多い商品は、圧倒的に転売目的、つまり換金性の高い商品です。代表的なところでは、食品(米などの農産物から肉、加工食品まで)や家電、OA機器などがあげられます。特に食品の取り込み詐欺では、東日本大震災の復興支援の商談会をきっかけにして、1億円以上の取り込み詐欺を行った、大阪の食品卸会社の事例が大きなニュースになりました。

取り込み詐欺の被害にあわないために

あなたの会社が、他では決して手に入らない商品を扱っていたり、新規取引を増やす気がないのであれば、取り込み詐欺にあわないために、新規取引先を獲得しない、すべて前金、保証金を積ませるなどの対策を打つこともできます。しかし、ほとんどの場合、売上に悪影響を及ぼすことは明らかです。

売上に悪影響を与えず、取り込み詐欺の被害を回避するためには、企業調査や与信調査によって取り込み詐欺をしっかり見抜き、取引をしないという選択をする以外にありません。取り込み詐欺にあわないための企業調査方法のうち、まずは、商業登記簿謄本の情報から取り込み詐欺を見抜く方法についてお伝えしていきます。

商業登記簿謄本の情報から分かる取り込み詐欺対策

ストップ!取り込み詐欺(第1回)

商業登記簿謄本は、会社謄本や法人登記簿などと呼ばれることもありますが、正式名称を「登記事項証明書」といい、会社法や商法の規定により、商号・本店、目的や役員など取引上重要な一定の事項を公開するために、商業登記された内容が記載されています。

商業登記簿謄本の構成

①会社法人等番号 登記所による企業の識別番号
②商号 企業の名称
③本店所在地 登記簿上の本店所在地
④設立年月日 法務局に登記を申請した日
⑤目的 業務内容
⑥資本金の額 出資者が会社に払い込んだ金額
⑦役員に関する事項 取締役、監査役の名前、代表者についてはプラス住所
⑧支店 登記されている支店(記載されていない場合も多い)
⑨登記記録に関する事項 本店移転など

登記事項は区という単位でグループ分けされていて、登記区の全部が記載された「全部事項証明書」と一部の「一部事項証明書」があり、それぞれ過去3年分の登記情報が記載された「履歴事項証明書」、現在の登記情報が記載された「現在事項証明書」、履歴事項に記載されていない過去の登記事項が記載された「閉鎖事項証明書」に分かれています。

商業登記簿謄本情報の注意点

意外と記載情報の多い商業登記簿ですが、その情報は、あくまでも過去情報です。そのため、その会社の現在の状況を知るという意味での、与信調査には利用できません。登記されているからといって、その会社が現在も存在するのかすら、わからないのです。しかし、商業登記簿は、会社のそれまでの流れを把握できる貴重な情報です。そのため、取り込み詐欺を見抜くための要素が大いに詰まっています。

次回は取り込み詐欺を見抜く具体策について

具体的にどういった点を見ると、取り込み詐欺を見抜くことができるのでしょうか。次回の後編では、商業登記簿謄本において、取り込み詐欺を見抜くための企業調査や与信調査の具体的なポイントについてお伝えします。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。少しだけお知らせです。
当社では、オンラインデータを活用した企業調査サービス「アラームボックス」や、売掛金の保証サービス「セキュアボックス」の運営を通じて、企業調査や審査、与信管理手法の向上に努めています。ご興味あれば、お気軽にご利用またはお問い合わせください。

また、「ストップ!取り込み詐欺(後編)」でお会いしましょう。

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